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最高のバターケーキができるまで。


オープン前日のsaveur 2020



PLAYGROUND試食会


2018年のPLAYGROUNDpopupイベントが終わった段階で、
渋谷bar石の華にて、
プレスの方や、関係者限定で試食会を行いました。

popupイベントではできない、
詳細な説明や、ユニットの意味などを交えお話しさせていただきました。

その時に非常に真剣に聞いてくださり、
オーラを発しているお二方がいらっしゃいました。

それがYAECA(FUKUBU Ink)の
服部さんと井出さんでした。


そこから思ってもいない方向へ事が進みだします。



YAECA HOME STORE

服部さん、井出さんと一度、話を、
となり、その時初めて白金のYAECA HOME STOREへ伺いました。


写真奥の外のスペースで、
服部さん、井出さん、山科、自分の4人でしばらく話しました。
その時は初夏だったので、良い感じに蚊に刺されたのが良い思い出です。

当時、PLAIN BAKERYというお菓子のブランドを
やられていましたが、
その先について思慮されていました。

次の展開であれば、
普遍的な派手では無い、
みんなの記憶にある「お菓子」のブランド、
と、いかにも服部さん、井出さんらしい哲学のあるイメージが伝わりました。




j-wave across the sky

そこから、猛試作を進め、
クラシックなフランス菓子5種類ほどを作り上げました。


当時、僕は、
京都のパティスリー立ち上げで京都にいました。
たまたま、玄理さんがナビゲートする
j-waveのacross the skyという番組に呼んで頂いたので、
東京に来たタイミングで同日にミーティングをセットしてもらいました。



番組出演時もサンプル品を大事に保管し、、
さて、ミーティング場所は、、

鎌倉??

六本木から鎌倉へ大急ぎで移動です。



Ink gallery

服部さん、井出さんが新たに、
吉村順三建築をリノベしたギャラリー、Ink galleryへ。
鎌倉駅からさらにバスに乗って進みます。


フランスで酪農を行っている日本人の方もいらっしゃいました。


さっそく試食会をしたのですが、
服部さんが考え込みました。

「美味しいんだけど、目指している所ではない。」

という事。

100年続くもの。
オーセンティック。
記憶にあるもの。

“AUTHENTIC UTILITY TOOLS”。
YAECAのタグにあるメッセージです。


日本の西洋菓子文化で変わらず昔からずっとあるもの、
「バターケーキ」がキーワードとして上がりました。


それまでは前衛的な素材や製法を
得意として来ていたので、
引き算の果ての美学を一年かけて追及することとなりました。

yaecaのコレクションは引き算ですが、
狂気を感じるほどの完成度です。
それを求めている事が伝わりました。


キーワード

本気で首をくくりました。

これを実現するにあたり、
4つのキーワードを弾き出しました。

・丁寧さ
・普遍的
・完成されたバランス
・アノニマスデザイン

この4つは全て相関関係にあって、
どれか一つが欠けてもダメで、
お互いに相乗効果を成しています。


丁寧さ

丁寧な仕事は日本人の強みです。
丁寧の中に、命を吹き込む、といった意味合いもあります。
なんだかすごいものを丁寧にやるのは、
当たり前に見えますが、
シンプルの極み、なものに丁寧に命を吹き込むのは日本人ならではの美学とも言えるかもしれません。


普遍的

すごく特別感のあるものが出てきたら、
その時点でオーセンティックではなくなってしまいます。

普遍的な材料+丁寧さ=綺麗なオーセンティック

ただ、普遍的な材料と丁寧なものは、
器用な主婦でもできてしまいます。

その日、その時、一期一会の美味しさ、
それもそれで美味しいのですが、
saveurというお店のオーセンティックな商品の価値を
成立させるためには残り2つのキーワードが必須になります。


完成されたバランス

プロのバランス感とは、
積み重ねた叡智から踏み込んだバランス感であることと、
それが流動的ではなく、
常に安定して実現し、実在させられるノウハウだと想います。

いつでもどこでもどんな時でも、
その完成されたバランス感を崩すことなく、お届けできることが重要です。


アノニマスデザイン

以上のコンセプト、saveurのブランド感、を踏まえたデザイン。

を考えていく中で、
「デザインをしてしまってはダメなのではないか」
と考えました。

必要なものが、必要なところに、必要なバランスで配置されている、
それそのものの佇まいの最果てが、
個性にも成り得るデザインなのではないかと感じました。

従って、シンプルな立方体に落ち着きました。



今の世になくてはならないお菓子


この4つが影響し合ってエネルギーを生んでいるのが、
saveurのバターケーキ、「ガトー・ア・ラ・クレーム」です。

これと、皆さんと・皆さんの記憶に反応し、
さらにエネルギーを生み出す、今の世になくてはならないお菓子なのです。





※立方体を成立するため、
様々な製法を試しました。

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