グルテンを休ませる
パイ生地(サブレ生地)を作る時には必ず、
冷蔵庫で数時間休ませるなどの
「生地を休ませる」
という工程を経て作られます。
これは生地を練ったり、伸ばしたりした後に行う作業です。
一体なぜこのような操作をしなくてはいけないのでしょうか?
◇練った生地内のグルテン
まず、グルテンの中では
生地の粘弾性の元となる「グルテニン」が
たくさんつながって、バネの束のような構造を作っています。
生地を練ったり、伸ばしたりすると
このグルテンのバネの束同士が
絡み合ったり、引っ張られたりしながら
このバネが限界まで引き伸ばされた状態になります。
これは本来、規則正しい網目状の構造を
作っていたグルテンが
力を加えたあらゆる方向に広がり、乱れている状態です。
◇生地を休ませないとどうなるか?
パイ生地のように繰り返し生地を伸ばしたりしていくと
徐々に弾力が強くなっていき、
それ以上伸ばしていくことが難しくなります。
これは、グルテンが乱れてしまった網目構造を
元に戻そうとする力が強く働くからです。
無理に力を加えれば生地が千切れ、傷ついてしまいます。
◇休ませた生地
冷蔵庫、あるいは冷凍庫で休ませた生地は
徐々に弾力が弱くなり、しばらくすれば
再び伸ばすことが出来るようになります。
限界にまで引き伸ばされたバネの構造が緩み、
網目構造が規則正しい配列へと変化していく為です。
◇クッキー生地も休ませる
同じようにクッキー生地も、
「休ませる」工程が必要です。
練ったり、伸ばしたりした後で休ませずに
そのまま焼成すると、焼き上がりが、
形や表面が歪んでしまったり、
焼き縮みを起こしてしまうなどの問題が発生します。
この時、休ませる時間はなるべくは半日ほど。
最低でも1時間は休ませておくと、
より綺麗に仕上がる傾向にあります。
※bitesjapansquadの投稿 : Ironman_fe
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