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絵を描くこと。空を描くこと。

日々は穏やかに過ぎてゆく。私が穏やかな気持ちなら。

私の日々は、たいして特別なことはありません。絵を描いたり、写真を撮ったりしていますから普通とは違う日々に感じるかもしれませんが、それもただの日常です。
しかし、私からそれらを奪ったら私は私ではなくなります。みるみるバランスを崩し精神は機嫌の直し方が分からず、私の人格はなかなかのものになりそうです。

これまでは悲しみから生まれる怒りを心の衝動のまま描いてきました。
最近、そのスイッチはなかなか動きません。
とても悲しい事があったのに絵を描いたら線しか描けませんでした。いつもは湧き上がる感情と同時に脳が沢山のイメージを出します。私はそれをとにかく描き出します。乱暴な絵でいいので、出し切る事が大事なのです。出し切ると心は静かになり、エネルギーを消費したせいか私はひどく疲れてしまいます。
さて、この現象が起きない。悲しい出来事があっても、です。
それで私は、8月に発表した人間の絵のシリーズを描きはじめました。インクが滲む様は自然な現象です。私のコントロールが効くわけではありません。思い通りにならない、それで良いと思いました。自分の分身の人間達を描くのは、客観視に繋がり、自分を観察してる感覚になりました。私は今、悲しいです。この悲しみは怒りにはなりません。心が消えてしまいそうな悲しみです。ある時、目の前に空がありました。空は誰にでも平等だということを思い出しました。私は空を見ると安心します。だから空を描こうと思いました。
光が見たい。明るいものが見たい。
空はいつもそこにいます。誰もが穏やかな気持ちになるように。

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