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三体Xの感想(ネタバレ)

むっっっっっっっちゃくちゃ面白え!

というのが読み終わって最初の感想でしたね。
1回目読み終わってすぐ書いてるんですけどこれ。
流石元々二次創作。オタク趣味全開でも別にいい。
勝手にやってんだから。
つまりは同人誌。好きも嫌いも勝手。
でも、俺はこれ本編より好きだ。今までは三体ⅡかⅠで甲乙つけ難い…って感じだったけど、今はもうXが一番面白かったって言っちゃいます。
それはなんでかって言うと、Ⅲがよく理解できなかったからです。ぶっちゃけ。
もちろんⅢも面白いんだけど、話が地球を飛び出している部分、歌い手とか意味がわからないシーンが少なからずあって、楽しみきれなかったような印象を受けた。
そういったものを、Xで補完してくれた。イメージを分かりやすくしてくれた。ⅢはXを持って完結ってくらいじゃないか?いや、公式設定じゃないんだけど、これくらい説明してくんないと分かんないよ!!
Xは規模がデカすぎる。そりゃもう地球が無いから、今更地球規模の話なんてできないんだけども、でも超宇宙規模の物語がずっと展開されて、そのスケールの馬鹿デカさが面白さを加速させた。
MIBのラストシーンが大好きなんだ俺は。
グレンラガンで、螺旋王が実はアンチスパイラルから地球を守っていた展開が大好きなんだ俺は。
常識だと思ってたものが、もっとデカい物からしたら何でもないという展開が好きなんだ俺は!!!
歌い手とか、マスターのレベルからすれば、三体文明も地球も同じく矮小なモノっていうスケールの物語が、俺は好きなんだ!!!!!!
三体X!それを踏まえての三体X!!!
そりゃ好きに決まってんじゃん!!!!!

とはいえ、最初の衝撃はやっぱり智子。
智子の容姿が実はAV女優だったっていう、アジアでのジャパニーズセクシー文化がどれだけ影響力あるかっていうのがよくわかる設定。これにもうやられちゃったね。
実写化した時、高橋しょう子あたりがやったら最高だなと思った。
まあ二次創作の設定だから多分持ち込まれないだろうけど…でもやってほしい!!(笑)
俺が好きな女優さんはネームバリューも大和撫子感もちょっと違うので……いや、でも松本いちかちゃんが出たらそれはそれで大爆笑しますけどね……松本いちかちゃん……
銀英伝がとても重要なポイントで使われてたり、エンドレスエイトに言及があったのも、日本のオタクカルチャーへのリスペクトを感じて嬉しかった。

十次元宇宙、および時間の概念の設定も好きだった。
宇宙全体の質量は変わらないので、次元が減ると宇宙が広くなる、というところまでは普通なんだけど。
時間の設定。これにシビれた。
十次元宇宙は完璧であるが故に、調和が保たれる。それゆえに変化もないから、時間という概念自体がない。
これを読んで、なるほど時間とは変化のことだなと改めて理解した。
変化が起こるから時間がある。
宇宙に始まりと終わりがあるから、時間もある。
生き延びるために時間を延ばす。その為に低次元化する。その動機がわかりやすかった。
時間の概念。それは人生にも当てはまるような気もした。
結局どこまでいっても考えることは一緒だなっていう。
宇宙の真理は命なのかも。

なにより、三体Xで一番面白かったのは、
第3章の天萼ですよ。
もう、最初の一文から脳みそぶち壊れるかと思った。
文章は読めるけど、理解ができない。
名詞も動詞も、知らない世界の知らない言葉。
歌い手の常識で書かれる文章。高次の世界を垣間見た気がしてめちゃくちゃ面白かった。
そこから、彼らが何者だったかが明らかになり、彼らの敵が何者かがわかり、この宇宙全体で起きていることが見えてくる。
最初の理解不能レベルが高すぎて、それがどんどんわかっていく快感もまたとてつもないモノだった。
別の言語一個学んだみたいな。あんなに読めなかった気持ち悪い文章が、今では完璧に理解できる。この気持ちよさったらないぜ。
読み終わった満足感、面白さは過去一。
これ読んだら三体Xが一番好きになっちゃった。

あと終わり方。6部。エンポリオ。
宇宙自体がループするエンドレスエイトではなく、智子の悪意によって、たったの5kgだけ変わることでバタフライエフェクトが起こる未知の宇宙。
これが最高に楽しかった。
重要人物や重要事項が、簡単に違うものになってしまっていく世界。逆に言えば、少しでもボタンがかけ違っていれば三体の物語世界はなかったという終わり方。
この物語の全ての始まりが、葉文潔の絶望というちっぽけなモノであるのも、三体を好きな理由なのですが、逆にそれが無ければ…という世界。宇宙崩壊すら無い。
それがやっぱり面白い。
ラストはファンメイド感バリバリでしたが、僕はそれも好きでした。ああいうオチは、綺麗だなって思うタイプなので。

最後に、銀河ヒッチハイクガイドネタが入っていたのでトドメ刺されました。
あの本のネタが入っていると、その作品が好きになってしまうという個人的嗜好があるのです。
そこまで含めて完璧でしたねー。

読んだ人と感想戦したいと思いましたが、多分言うことはここに書いたことが全部です。
ここに書いてない部分も全部面白いんですけど、1周目の感想はこれですね。
とにかく最高でした。
謝謝劉先生!
謝謝宝樹先生!!

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