ブルーアイズ盗難事件の話(後編)

こんばんは、くらげです。🪼
というわけで、前回の続きからお話させて頂ければと思います。

田中くんのブルーアイズが紛失事件から1週間後、たまたまグループリーダーの鈴木くんと2人だけで遊ぶことがありました。
普段は遊べない鈴木くんの家が今日は遊べるとのことで、その日は鈴木くんの家に遊びに行きました。
正直、くらげはワクワクが止まりませんでした。
なぜなら鈴木くんの家には最新ゲームがたくさん置いてあったからです。
ゲームを買う機会なんか誕生日とクリスマスくらいなもので、自分の持っていないゲームをたくさん持っている鈴木くんには憧れのようなものを抱いていました。

鈴木くんの家に着いたくらげはさっそくゲームをやろうと息巻いていたのですが、鈴木くんが取りだしたのは遊戯王のデッキでした。
今日は家だしゲームがしたかったくらげですが、そんなこと言えるわけもなく渋々デッキを取り出します。
そして、デュエルが始まったわけですが、鈴木くんのデッキが少しだけ変わっていました。
新しいデッキを作ったんだなぁくらいに思っていましたが、彼があるカードを出した時にその考えは変わりました。

青眼の白龍でした。

え、手に入れたの?
鈴木くんに聞くと、得意気な顔で大きく頷きました。
そうなんだ!と、返事はしたものの、そのカードはなんだか見覚えのある傷がありました。
今と違って、当時はカードスリーブなんて付けないし、外で遊ぶことがほとんどだったこともあって、カードのほとんどは細かい傷でいっぱいになっていました。
鈴木くんのブルーアイズも最近手に入ったものにしてはやけに傷が多く、その傷がなぜか田中くんの持っていたブルーアイズと酷似していたのでした。

ただ、明確な証拠もないまま犯人扱いすることも出来ず、くらげはなにも言えないまま、その日は解散となりました。
その数ヶ月後、鈴木くんは親の都合で転勤してしまうのですが、その間、田中くんがいる時にブルーアイズが出てくることは1度もありませんでした。

以上、青眼の白龍盗難事件でした。
おそらく、鈴木くんが犯人で間違いなかったのだと思います。
ですが、なぜ盗んでしまったのか。
記事を書きながら当時のことを思い返してみると、グループで遊ぶもののほとんどは鈴木くんが持ってきたものでした。
ローラースケートとかエアガンとか。
遊ぶ物の中心にはいつだって鈴木くんがいました。
だけど、田中くんが青眼の白龍を手に入れたことで、一瞬でも鈴木くんから田中くんにみんなの視線が向いてしまったことを彼は許せなかったのかもしれませんね。

それでは、ここまで見ていただきありがとうございました。
また次回。
くらげでした。🪼

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