見出し画像

特撮・日和/大カード時代

 1971年、特撮TVドラマ『仮面ライダー』は「変身ブーム」を巻き起こしました。

 当時の子供が おやつのおとも として、むしゃむしゃと買い食いを繰り返していたのは主に駄菓子が中心でした。
 少ないお小遣いでも買えるほどに安価で手に取り易い。商品数も多く、甘味から しょっぱいもの まで味も多彩でした。

 毎日のように足繁く駄菓子屋さんに通い、握りしめた十円玉を汗で湿らせながら、きょうは何を買おうかとお菓子とにらめっこでした。

 そして、ここに『仮面ライダー』と「変身ブーム」の影響の余波が訪れます。
 子供のおやつである お菓子から、社会現象として認知されるほどの爆発的な人気商品が誕生します。
 それはカルビーから発売された「仮面ライダースナック」でした。

 品切れは当たり前、いつも入荷待ち。
 入荷が判るとお店に並び購入。
「ひとり何袋まで」と数量を限定する店舗もあったようです。
 そして羨ましい箱買い…ブルジョワという言葉を憶えました 笑。

 すべては おまけのカード欲しさゆえだったのです。
 お菓子よりもカード…。
 食欲より物欲…。
 なんか本末転倒ですね。
 ラッキーカードが出ると、ライダーカードを収納できる「カードアルバム」が貰え、嬉しかった記憶があります。

「仮面ライダースナック」の話しになると大概、「はどんな味だっけ?」という記憶探索ゲームがはじまります。
 皆で記憶を探らなければ思い出せない…ということは、皆んな中身にさほどの興味はなかったということなのかも知れませんね。

 で、調べてみました。小麦粉を原料とした、生姜風味の甘いコーティングが施された花形の焼き菓子…う〜ん 判るような判らないような…。
 味については、「おいしかった」と答える人も「不味かった」と答える人も多く、「飽きる味だった」と言う人もいらっしゃいました。

 未開封のままの「仮面ライダースナック」が大量に捨てられていたという話しも、当たり前のように聞かされたものです。


 そして、革命的ブームを引き起こした「仮面ライダースナック」の2匹目のドジョウを狙う各メーカーは、類似の商品を続々と生み出していきました。

カルビーTVスナック「ウルトラマンA」
と「変身忍者 嵐」の中身は、かっぱえびせんでした。勿論、おまけのカード付き。

シスコ「ウルトラ怪獣スナック」。お菓子情報は、キャラメルコーンのような甘いもの。

カバヤ「月光仮面スナック」と「赤胴鈴之助スナック」。平たい薄塩味のスナック。

和泉せんべい本舗「バロムワン スナック」。細長い塩味のスナック。

日清製菓「キカイダーココナツ」。バターココナツ。
日清製菓「ファイヤーマン」。チーズ入りコーンスナック。

⚠️訂正
シスコから「ファイヤーマンスナック」は出ていないとご指摘を受けました。ありがとうございます。
「ファイヤーマン」のカード付きお菓子は日清製菓の商品となります。
 訂正し、お詫び申し上げます。

 この他にも類似するスナック菓子はたくさんありました。
 思い出したらまた追加で記載しますね。

 そして時を経て、現代日本では…。
 2023年、映画『シン・仮面ライダー』の入場特典(2枚入り)として「シン・仮面ライダーカード」が配られました。
 当然、収集家が動き出します。

 暫くして、案の定 カルビーから「シン・仮面ライダーチップス(カード2枚付き)」が発売されました。
 ネット販売ではカード全種類付き「シン・仮面ライダースナック」が予約販売され、アクセス過多でパンクしました。

 カルビーさん、ライダーカード人気を甘くみていたのでしょうね。大失態です。
 販売再開にはかなりの日数を要しました。

わたしには幻となった
シン・チップス第二弾

 その後も、「シン・仮面ライダーチップス」第二弾が発売されましたが、取り扱い店が少なく、わたしは実物を見ることさえ出来ませんでした。

 時代はまさに「大カード時代!」
 そんなフレーズが頭に過ぎる今日この頃でありました。

この記事が参加している募集

#スキしてみて

526,912件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?