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『整体操法読本巻一総論』

過去の資料に対する、個人的なメモ。

タイトルにあるように、整体操法の「総論」が述べられている。
最も重要なのは解剖学的な人体観とは違うところを整体では観察をして操法をする、というところ。
ぼーっと読んでいると、なんとなくの理解になってしまうが、相手の感受性を主に指導するというあたりは、整体とは科学的なアプローチでは絶対にない、ということで、これはまじめに読めば、少なからずのショックが与えられる。

理論ではなく、生命に根ざした治療行為である、という点も、言葉にするとあまりにも陳腐になってしまうが(本書の執筆は昭和22年。終戦後間もないので、当時の日本人にとっては陳腐な言葉などではなかったであろうが)、そうとしか表現できないことだろう。

それにしても、この本を現在の平均的な日本人が読んでも、誤解しかできないであろう、と思った。再刊されない理由もよくわかる。

しかし、本当に重要な資料だ。
読めば読むほど、深みに嵌る。
何かに到達している。
理にかなっている。
氣で一つになる。

(2017年8月17日執筆)

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