結婚21周年に思う

結婚21周年。実に中途半端だが、記念日は記念日だ。
これまでも1周年、7周年、14、16周年とささやかながらお祝いをしてきた。
もっというと未だにお付き合い記念日はケーキを食べたりする。
さらに言うと付き合った「日」にはお互いに

これからもよろしく

と言い合う。
これが21年続いた。たぶんひと月として欠かしていないはずだ。
精神科に入院した日も、旅に出た夜も。

でも今日は外来受診に気を取られ、すっかり忘れていた。
お互いに予定を入れてしまっていた。
キャンセルできないかと提案したが難しいという。
しかたない。21年も繰り返した今日という日。
一日くらいこんなことがあってもいいだろう。

病院から帰宅し、簡単な昼食を済ませたら、妻の方がリスケ。
リスケというほど格好よくはない。
天気が悪くて相手が面倒になっただけだ。

僕の予定はここに書くほど立派な用事ではないのでどうにでもなる。
思いがけづ二人の時間ができたので、温泉に行くことにした。

温泉はいつも行くガソリンスタンドで押してもらうスタンプ。
スタンプが五つ溜まると一人分タダになるのだ。
コツコツ貯めて時々家族でいったりしている。

ぬるめのお湯と激しい雨を見ながらの露天風呂に浸かり、鬱々としていた気持ちまでほぐれた。
帰りに温泉のある近くで農家をやっている友人を訪ねる。
畑仕事のし過ぎで膝に水が溜まっていて今日は休みだそうだ。
そんな年齢になった。
それでも連絡をくれる友人が有難い。
LINEの文字を見る距離がだんだん離れていくが。

携帯との距離と同じだけ、少しずつ、確実に、出会った頃の思い出は遠くなる。
けれど、こうして積み上げてきた「ありがとう」は252回になった。
いまだに分かって欲しい気持ちが強すぎてぶつかることもあるけれど、分かって欲しい気持ちだけ分かってあげられればと思う。

特別なことは何もないけれど、ちょっとだけ特別な日に、いつもより心を込めて

ありがとう

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