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女同士の出会い-2022/7/11
人類は進化を繰り返して繰り返して、
何世代も、何世代も喜びや悲しみを反復して、
そのうちに、とっても疲れてしまった。
もう分かったのだ。
この宇宙は無限大なんかじゃないし、
自分が持ちゆる感情は過去の誰かが既に感じたことのあるもので、
ただそれが延々と繰り返されるだけだと。
だから人類は進化することを辞め、だんだんと溶けていった。
始めは顔が、そして腕、胴、脚、
全てが溶けて、いつしか大きなナメクジのような形になった。
何も見えない、聴こえない。
ただ、僕がここにある。それだけ。
それでも繰り返される生殖は最早おぞましいだけの本能だ。
頭の辺りに痛みが走って、切り取られたのを知った。
そして僕は女の子になった。
これから雄を探しに行くのだ。