下ばかり見て歩いているということは、ほとんど日常的に動物の死骸に出くわすことになる。もちろんいつもは虫だが、たまに動物の場合もある。鳥の場合だってある。ところで、私は道に落ちている死骸を落とし物としては撮らない。だから落ちているということでは共通していても、死骸は落とし物にはどうしても分類できない。この差はどこから生じるのか。 安心してください。かれ/かのじょは生きてますよ。ただ、かれ/かのじょ(はムシクイですよね?)のなかまの個体が死んでいたのをこの写真を撮るより以前
世界は広いというか、今日の情報爆発の時代にあっても、あるいは情報散乱甚だしいからこそかもしれないが、まともな写真作品というのは探しづらいものがある。そのため、世界において落とし物写真専門の写真集があったかどうか私は存じ上げないが、寡聞ながら今まで見た日本の写真史のなかで考えると、たぶん落とし物専門の写真集はなかったはずである。 ただ、写り込んできたというか、歴代の写真家たちが撮った「落とし物写真」といってよい写真は何枚か存在する。 まず落花。厳密には人が落としたもので