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詩『異国の宿の一室』

人がギュウギュウに乗り込んだ列車に揺られ
やっと辿り着いた一室
クーラーでひんやりとしている

わたし達は疲れを解くかのように
大きなベッドの端で折り重なってじっとしていた

窓の外、道路をゆく白人夫婦のうち婦人がこちらを見上げている
目があった
逸らす元気もなく婦人の目をわたしの目が追いかける、、、
瞼が閉じる

冷気で切り取られるこの箱の中で
安全な毛布に包まれているような心地の中
身体の欲する限り眠った

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