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8月4日、オペラ改革の巨匠、グルックの、その改革の種となったバレエ!

新譜、ジョルディ・サヴァール率いる、ル・コンセール・デ・ナシオンの演奏で、グルックのバレエ『ドン・ジュアン』と『セミラミス』。
Alia Vox/AVSA9949

1750年代、ブフォン論争の渦中、パリで活動したイタリア出身の台本作家、カルツァビージ(1714-95)が、1761年、ウィーンにやって来て、グルック(1714-87)と出会い、誕生したのが、オペラ『オルフェオとエウリディーチェ』(1762)。で、その前、両者の最初のコラボが、バレエ『ドン・ジュアン』(1761)。

モーツァルトのオペラ(1787)でお馴染み、ドン・ファン伝説のバレエ化ということで、スペイン風も顔を覗かせつつ、表情に富む音楽(フランス・オペラのバレエとは一線を画す!)によって綴られ、締めの地獄落ちのド迫力は"疾風怒濤"の端緒と言ってもいいもので... いや、まさにオペラ改革の種なのです!

という『ドン・ジュアン』の後に、1765年のバレエ『セミラミス』が取り上げられるのだけれど、よりグルックの改革オペラ味増していて、惹き込まれる!てか、1770年代、パリを席巻した"疾風怒濤"オペラを思わせるドラマティックさ、すでに窺えて、興味深い... いや、バレエも侮れないグルックです。

そんなグルックのバレエをサヴァール+ル・コンセール・デ・ナシオンで聴くのだけれど、ちょっと唸ってしまうような名演です。もね、こんなにもいい曲だった?くらいに、目から鱗というか、目の覚めるような仕上がり!格調高くもしっかりとした表情が付き、確かなドラマが展開されてゆく... 圧巻...

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