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9月24日、美しさと大胆さ、一筋縄には行かないランゴーの魅力を堪能する。

デンマークのピアニスト、ベーリト・ヨハンセン・タンゲによる、デンマークの作曲家、ランゴーのピアノ作品のシリーズ、最新盤、2つの『花の描写』、2番のソナタなどが取り上げられる、Vol.4。

デンマークの不遇の天才、ランゴー(1893-1952)。コペンハーゲンで音楽一家に生まれ、新時代の音楽家を育てることに尽力したホーネマン(1840-1906)に師事、若くして才能は開花、海外で作品が取り上げられるも、国内では理解されず、長らくオルガニストとして生計を立てながら、静かに作曲活動を続け、独自の音楽世界を築いていった。

というランゴーのピアノ作品... サンザシ、睡蓮、忘れな草、デイジーの4つの花を音楽にする『花の描写』、1913年と1951年に作曲された2編(まったく同じセットで違うものが2つある... )に、2番のピアノ・ソナタ、"Ex Est"(1934-41/1945)に、サラバンド(1906)、家族のアルバムの綴り(1909)、スケルツォ(1925)、燃焼室(1930-1937)、表現(1930-1932/1939)という小品が並ぶ、タンゲによるランゴーのシリーズ、Vol.4。

後期ロマン派を受け継ぐ情感豊かな音楽が繰り出されるも、北欧らしい瑞々しさに貫かれ、ピアノという楽器が持つクリアさを素直に活かしての美しさ、印象的で... そのあたりは、どこか古典派を思わせる感覚もあるのか?となると、思いの外、保守的?いや、凄く大胆な展開もあったり... この、ちょっと先が読めないところも魅力に...

オーケストラではより実験的なところが散見されるも、ピアノでは、よりシンプルに楽器と向き合い、音楽を紡ぐ、ランゴー... そのあたりを丁寧に、きらめきを以って奏でるタンゲ、すばらしいです。彼女の透明感のある美しい響きが、ランゴーの繊細な、時にナイーヴな感性を捉え、ありのままの魅力、解き放つ。


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