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10月8日、古典主義の時代のロンドンを沸かしたバッハ-アーベル・コンサート、その多彩さにワクワクしつつ、何かチルな感じ、イイ...

フランスのピリオド・アンサンブル、レゾンブルが、18世紀、ロンドンの音楽シーンを沸かせた、J.C.バッハ、アーベルのコンビに注目するアルバム、"BACH-ABEL SOCIETY"。

バッハ家の末っ子で、当時、その名声は、父、大バッハを凌いだ、"ロンドンのバッハ"こと、ヨハン・クリスティアン(1735-82)。そして、大バッハがケーテンの楽長を務めていた時、楽団の首席ガンバ奏者の息子として生まれ、やがてライプツィヒで大バッハに師事したガンビスト、アーベル(1723-87)。親世代からつながりを持っていた2人は、ロンドンで再会し...

1765年、J.C.バッハとアーベルは、前年に開いたジョイント・コンサートの成功を切っ掛けに、バッハ-アーベル・コンサートという定期演奏会をスタート(J.C.バッハの死まで17シーズンも続いた... )。自作を中心に、大陸の最新の音楽も紹介、瞬く間にロンドンの音楽シーンを席巻!という、バッハ-アーベル・コンサートの記憶を紐解く、"BACH-ABEL SOCIETY"。

J.C.バッハの四重奏曲(フルート、ヴァイオリン、ガンバ、ピアノ)に、ヴァイオリン・ソナタ。アーベルのバス・ヴァイオルのための小品、2曲に、ガンバ・ソナタ、四重奏曲(J.C.バッハと同じ編成... )。バッハ-アーベル・コンサートでも活躍したドイツのピアノのヴィルトゥオーゾ、シュレーター(1753-88)の五重奏曲(ピアノ、フルート、ヴァイオリン、ガンバ、チェロ)に、フォリアっぽいテーマによるヴァイオリンのソナタという構成...

まず、興味を引くのが、独特な編成の四重奏に五重奏。それから、アーベルがガンビストだったことで、ガンバがまだ活躍しており... 古典主義を磨き上げていたウィーンなどからすると、なかなかに癖強めの印象。それは、前古典派による完成に至っていない古典主義なのかもしれない。が、その未完成から紡がれる音楽が、いい味を醸す!で、チルな感じ...

そんな"BACH-ABEL SOCIETY"を聴かせてくれた、レゾンブル。丁寧にして、やさしい響きが、J.C.バッハとアーベルの魅力をふんわり引き立てて、素敵!で、その演奏に挿まれる、マガウン(メッゾ・ソプラノ)が歌う、ハイドンのアレンジ、スコットランド民謡、3曲が、最高のスパイスに!英国の雰囲気、盛り立てる。

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