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3月12日、ナポリ楽派、知られざる作曲家、サルクーニのミサの花々しさ!

バルト・ファン・デ・ウェーゲ率いるラ・ヒスパノフラメンカの歌、アン・クノップ率いるル・パヴィヨン・ド・ミュジクの演奏、ナポリ楽派の知られざる作曲家、サルクーニの器楽を伴う5声のミサ...
ET'CETERA/KTC1763

ジャコモ・サルクーニ(1690-1758)。
ナポリの様々な教会で聖歌隊長を務め、音楽教師としても活動していた、サルクーニ... ナポリ楽派、第一世代、ポルポラ(1686-1768)と、ナポリ楽派、夭折の天才、ペルゴレージ(1710-1736)に挟まれた、ヴィンチ(1690-1730)、レオ(1694-1744)ら、ナポリ楽派、黄金期を担った世代にあたる。が、才能が犇めいたナポリだけに、その存在は忘れ去られてしまう。忘れ去られて、わからないことばかりとのこと... そうした中、掘り起こされての、世界初録音、サルクーニの器楽を伴う5声のミサと、オルガン即興に導かれてのレスポンソリウム「オリーヴ山にて」が取り上げられる。

まず、耳を奪われるのが、器楽を伴う5声のミサの花々しさ!いや、本当にミサ?というほど、ただならず花々しく、ため息が出るほどに芳しい... もう、のっけからナポリ楽派ならではの流麗さ、全開!で、その流麗さから湧き上がる朗らかさ、モーツァルトを予感させるところもあって、興味深い。一転、典礼の厳かさに忠実なレスポンソリウム「オリーヴ山にて」が、また印象的で... 盛期バロック以前を思わせる古風な表現を用いながらも、そこによりエモーショナルなものも籠めて、ミサとは違うベクトルの音楽を展開。そんな、サルクーニの教会音楽、侮れない!

で、ヒスパノフラメンカの歌、ル・パヴィヨン・ド・ミュジクの演奏が、知られざるナポリ楽派、サルクーニの存在を存分に引き立てる!ソロでもコーラスでも、ナポリの朗らかさ、軽やかに繰り出して、ちょっと人懐っこさ見せるヒスパノフラメンカ... "南"を意識させる明快さと、ナポリの気分?ちょっと粋な感じで聴かせるル・パヴィヨン・ド・ミュジク... 絶妙に綾なして、生まれる、喜びに満ち充ちた音楽(レスポンソリウムはまたひと味違うけど... )!魅了されます。

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