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3月17日、マーラーからのショスタコーヴィチへ、2つの"10番"をつないでもたらされる新体験!

ヤープ・ファン・ズヴェーデン率いる、香港フィルハーモニー管弦楽団の演奏で、マーラーの未完の交響曲、10番(1924年、メンゲルベルクがコンセルトヘボウで演奏するにあたり改訂した版での世界初録音!)と、ショスタコーヴィチの10番の交響曲... 興味深い、2つの"10番"…
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マーラー(1860-1911)の死の前年に書き始められた、マーラーの11作目の交響曲、10番... 1911年、その死により、未完に終わるのだけれど、その遺稿を保持していたアルマ・マーラー(1879-1964)が、1924年、娘婿、クルシェネク(1900-91)に託し、補筆完成を試みることに... そうして、1楽章と3楽章がウィーン・フィルによって初演... それを元に、メンゲルベルク(1871-1951)が改訂、同年、コンセルトヘボウ管で取り上げる... というメンゲルベルク版が一世紀弱を経て、再び日の目を見ることに!

いや、クック版で聴き慣れたマーラーの10番だけに、メンゲルベルク版というのが、新鮮で、その実直な響き、思いの外、惹き込まれた。で、シンフォニストとしてのマーラーを再確認させられるよう。というメンゲルベルク版、1楽章、3楽章から、そのままショスタコーヴィチの10番が始まるのだけれど、これが、おもしろいくらい自然な流れでつながってしまう!てか、全6楽章の"10番"だよね、これ?いや、ショスタコーヴィチがマーラーから受け継いだもの明確になるようで興味深い...

そんな、マーラーからショスタコーヴィチへリレーされる"10番"、ズヴェーデン+香港フィルで聴くのだけれど、まず、ズヴェーデンならではの明解さが、2つの交響曲をよりナチュラルに響かせ... そこに、香港フィルの、中華圏ならでは?流麗なタッチが、瑞々しい詩情を引き出し、魅了される!もちろん、盛り上がってゆくところは、しっかり熱いのだけれど、ナチュラルで瑞々しく、詩情を湛えたマーラーからのショスタコーヴィチは、新しい体験をもたらすよう。

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