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1月21日、19世紀後半の古典主義?チェコ出身、ウィーンで活躍したベネシュの弦楽四重奏曲の不思議な優美さ!

チェコの老舗クァルテット、マルティヌー四重奏団の演奏で、19世紀、ウィーンで活動した、チェコ出身のヴァイオリニストにして作曲家、ベネシュの弦楽四重奏曲全集。
SUPRAPHON/SU4320

ヨゼフ・ベネシュ(1795-1873)。
チェコ中部の小さな村、バテロフの学校の教師を父に生まれたベネシュ... 父から音楽を学び始め、幼くしてヴァイオリンの才能を開花させると、ウィーンに出て研鑽を積み、1822年、ライバッハ(現在のスロヴェニアの首都、リュブリャナ、当時はハプスブルク帝国の構成国、クライン公国の首都... )を拠点に活動... 1829年にウィーンへと戻り、宮廷劇場のコンサート・マスターとなり、後にウィーンの音楽アカデミーの教授も務めた。

というベネシュの弦楽四重奏曲、全2曲を聴くのだけれど、1番が1865年に、2番が1871年に出版されている。ということで、19世紀後半の作品。しかし、その音楽、未だ古典主義が息衝いている!18世紀、古典派輸出国だったチェコの伝統を受け継ぐ最終世代なのか?そこに、ウィーンの保守性も相俟って... いや、"クラシック"であることが、独特な洗練へと至って生まれる、不思議な優美さ!これは、ちょっと、新鮮な驚き...

そんなベネシュの弦楽四重奏曲を掘り起こすマルティヌーQの演奏がすばらしい!弦楽ならではの麗しさ、存分に響かせながら、クリアにして古典美を意識させる凛とした佇まい... そこから放たれる、老舗とは思えないフレッシュさ!いや、彼らの演奏もあって引き立つ音楽でもあるなと... いや、思い掛けなく魅了された。

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