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10月17日、ドイツ・バロック、旅する作曲家たちのコンチェルト... その浮き立つサウンドに魅了された!

ヨハネス・プラムゾーラー率いるアンサンブル・ディドロの演奏で、バッハのブランデンブルク協奏曲の5番に、ピゼンデル、ハイニヒェンらのコンチェルトの数々... "Travel Concertos"。

バッハ(1685-1750)の名曲、ブランデンブルク協奏曲の5番(初期稿)に、ダルムシュタットの宮廷楽団のコンサート・マスター、ヨハン・ヤコプ・クレス(1685-1728)の3番のヴァイオリン協奏曲、ヴィヴァルディの弟子、ドレスデンの宮廷楽団のコンサート・マスター、ピゼンデル(1688-1755)の室内協奏曲、2曲、ヴェネツィアで研鑽を積んだドレスデンの宮廷楽長、ハイニヒェン(1683-1729)の協奏曲、そして、バイロイト辺境伯のリュート奏者、ドゥラント(1712-1769)の協奏曲という、全6曲...

まず、のっけから魅了されます!1717年、バッハがドレスデンでデビューを果たした時に演奏した?ブランデンブルク協奏曲の5番の"初期稿"という、いつもとはひと味違うお馴染みの音楽が興味深い... で、初期稿だからこその新鮮さ、間違いなくある!改訂を重ねての分厚さが剝がされて、真っ新、シャキッとしたサウンド、実に心地良いのです。

そして、バッハと同世代、1680年代生まれ、ドイツ各地で活躍した作曲家たちの協奏曲が続くのだけれど... バッハとの近さが感じられるクレスの典雅さに、イタリア仕込みのピゼンデルの明朗さ、ハイニヒェンの艶やかさ、華やかさ!それぞれに魅力的で、ドイツ・バロックの多彩さを再確認。何より、バッハの名曲と並べて引けを取らない!

で、興味深かったのが、最後に取り上げられる、バッハの息子世代、ドゥラントの協奏曲。まさに息子世代を意識させる、バロックを一歩踏み出した音楽が展開され、そのカラフルでやさしい響きが印象的... また、本人、リュート奏者ということで、リュートがアクセントに... いや、なかなかおもしろいその音楽、もっと聴いてみたくなる。

そんな"Travel Concertos"を聴かせてくれたプラムゾーラー+アンサンブル・ディドロ。いつもながらの、腕利き揃いの確かな腕を存分に味わうアンサンブル、そこから繰り出される堂々の演奏、そして、発見の詰まった構成(世界初録音が、4曲も!)。彼らのいつもながらは、やっぱ、ただならない... ワクワクさせられる。

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