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12月16日、ピアノの素直な響きを重ねて、放たれる輝き... 惹き込まれた... コーニッシュの"SIERRA"。

ニューヨークのヒップな現代音楽専門集団、BANG ON A CANのメンバー、カナダのピアニスト、ヴィッキー・チョウによる、イギリス出身、ニューヨークを拠点とする作曲家、ジェーン・アントニア・コーニッシュのピアノ作品集、"SIERRA"。
cantaloupe music/CA21174

ロンドンの生れで、ケント州(ロンドンの東隣... )で育ち、早くから音楽に触れ、マンチェスターの英国王立ノーザン音楽大学で学び、ロンドンの英国王音楽大学の修士課程で研鑽を積み、映画音楽で活躍(アカデミー賞会員... )。という、ジェーン・アントニア・コーニッシュ(b.1975)。現在は、ニューヨークを拠点にしているとのこと... いや、初めて知りました。

という、コーニッシュのピアノ作品集、"SIERRA"。6台のピアノによる"Sky"と"Ocean"、4台のピアノによる"Sunglitter"、1台のピアノでの"Last Light"、そして、アルバムのタイトルにもなっている、4台のピアノによる"Sierra"の5曲... チョウが弾くピアノの演奏(録音)を重ね、ピアノならではの透明感を活かしつつ、残響を効果的に用い、スペイシーに織り成す。そうして編まれる音楽は、ポスト・ミニマルなイメージ、"カリフォルニアのアダムズ"が若かった頃のイメージがありつつ、"アラスカのアダムズ"的な自然からのインスピレーションもあるという... 何気にアメリカン?

それは、自然の中の輝き?だろうか... 空を見上げて、海を望んで、差し込んだ陽の光を見つめて、残光を追い... 我々を取り巻く、何気ない自然の光をピックアップし、音にしたら、こんな感じだろうか?ピアノならではのキラキラとした表情を最大限に活かし、綴られる、"SIERRA"。とても素直な音楽で充たさる... てか、素直でいいんだよ... 彼女の音楽に触れていると、ふとそんな思いが湧いて来て、憑き物が落ちたような感覚にもなる。"ゲンダイオンガク"ばかりでなく、複雑怪奇を極める"現代"をサヴァイヴしている現代人の耳には、この素直さが、とにかく、やさしく、癒される。

というコーニッシュのピアノ作品を弾く、チョウ... そのクリアなタッチから放たれる、澄み切ったサウンド、とにかく心地良く... 澄み切っているからこそ、その演奏を重ねた時に生まれる瑞々しさ、圧倒的で... 一方、ミキシング無し、"Last Light"での、こぼれ出す詩情、深さがまた印象的... すっかり惹き込まれてしまった。

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