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9月2日、セブン・スターズ・シンフォニー!往年の名画の世界へと誘われる...

フランスのマエストラ、アリアーネ・マティアクの指揮、バーゼル交響楽団の演奏で、映画ファンだったケクランが7人の映画スターをフィーチャした異色の交響曲、セブン・スターズ・シンフォニー。

ドビュッシー(1862-1918)、ラヴェル(1875-1937)の影に隠れ、あんまり目立たない、フランス、印象主義、もうひとりの重要人物、ケクラン(1867-1950)。実は、誰よりも印象主義を極めた作曲家でして... そんなケクラン、映画好きだったとのこと... で、映画好きが高じて生まれたのが、セブン・スターズ・シンフォニー(1933)。お気に入りの映画スター、7人を選び、そのスターたちを題材に書かれた連作交響詩?だろうか...

ダグラス・フェアバンクス、リリアン・ハーヴェイ、グレタ・ガルボ、クララ・ボウ、マレーネ・ディートリッヒ、エミール・ヤニングス、チャーリー・チャップリンという7人... 『バグダッドの盗賊』(1924)のフェアバンクスはエキゾティック、ガルボはオンド・マルトノで彩り、チャップリンは、まさに、表情豊か!と、それぞれのカラーを反映...

いや、巧みにそのカラーを抽出するケクランのセンスに脱帽。安易に映画音楽に近付くことなく、フランス音楽ならではの澄んだ響き、印象主義ならではの瑞々しさを活かし... で、その粋を極めたケクランならではの独特な世界から、幻影のように映画の情景が浮かび上がる妙!ため息の7曲です。いや、印象主義と映像の親和性、感じさせる!

いや、巧みにそのカラーを抽出するケクランのセンスに脱帽。安易に映画音楽に近付くことはせず、フランス音楽ならではの澄んだ響き、印象主義ならではの瑞々しさ引き立てる滑らかな音楽運び、ケクランならではの上質できめの細かいサウンドに、スターたちの香りが籠められ、幻影のように映画の情景が浮かび上がる妙!ため息の7曲です。

そんなセブン・スターズ・シンフォニーを聴かせてくれたマティアク、バーゼル響。まず、美しい音楽をしっかりと鳴らし、密度を上げてくるようなマティアクの指揮が印象的で... そんなマティアクに応えるバーゼル響... ドイツ語圏のしっとり感に、確かな色彩を織り成して、聴く者を往年の名画の世界へと誘う... 夢見るよう...

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