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9月16日、英国流の瑞々しさ、存分に味わう、アイアランドのオーケストラ作品の数々...

絶好調なコンビ、ジョン・ウィルソン率いるシンフォニア・オブ・ロンドンの演奏で、イギリス、20世紀前半を彩った作曲家、アイアランドのオーケストラ作品集。

ジョン・アイアランド(1879-1962)。
マンチェスター近郊、バウデンの生まれ... ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958)、ホルスト(1874-1934)と同世代で、ホルストとは同じ年にロンドンの王立音楽大学に入学(1893)。ピアノとオルガンを、後に、アイルランド出身の作曲家、スタンフォードから作曲も学ぶ。卒業後は、ロンドンの教会でオルガニストを務めながら作曲家としても活動。やがて、王立音楽大学で教える側となり、その下でブリテンらが学んでいる。

そんなアイアランドのオーケストラ作品... サティリコン序曲(1946)、ブラスバンドのために作曲されたダウンランド組曲(1932)の弦楽オーケストラ版(1楽章と4楽章は弟子のジェフリー・ブッシュによるオーケストレーション)、交響的狂詩曲「マイ・ダン」(1920-21)、前奏曲「忘れられた儀礼」(1913)、ロンドン序曲(1936)、ピアノのための前奏曲集から、クリスマスのキャロルに基づく「聖なる少年」(1913)の弦楽オーケストラ版、そして、エピック・マーチ(1941-42)の7作品が取り上げられる。

19世紀来のロマン主義を、英国流に灰汁抜きし、より瑞々しい音楽を響かせるアイアランドのオーケストラ作品の数々... 一見、保守的に思えて、その音楽、教え子、ブリテンとも共通する伝統を進化させるタイプの音楽か... で、ブリテン以上に滑らかなサウンドが印象的... イギリスにおける印象主義とも言われるアイアランドだけれど、響きに対する鋭敏な感性は確かなもので、そのオーケストレーション、侮れない...

というあたり、見事に紡ぎ出す、ウィルソン+シンフォニア・オブ・ロンドン!何と言ったらいいだろう?凄い密?けど、それが嫌味にならない、スムーズな展開... そこから生まれる、得も言えぬ充足感... 彼らならではのトーンが、アイアランドの魅力をより豊潤に引き立てて、魅了される!このリッチな感覚、素敵過ぎる。

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