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12月7日、弦楽四重奏というストイックな編成から、改めて見つめる、早熟の天才、メンデルスゾーンの凄さ...

フランスで結成された気鋭の弦楽四重奏団、ヴァン・カイック四重奏団が、新たにスタートさせるメンデルスゾーンの弦楽四重奏のための作品全集、その第1弾、1番から3番まで...
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番号が付された弦楽四重奏曲、1番から6番までの、最も早く18歳で書かれた2番(1827)から始まり、20歳の時の1番(1829)、そこから10年ほど開いての29歳で書かれた3番(1838)という、作曲年代順による演奏... とはいえ、2番の冒頭から、もう、その音楽、すでに完成されていて... いや、早熟の天才、メンデルスゾーンにとっての18歳は、もはや、円熟の粋...

弦楽四重奏というストイックな編成から、見事、豊かな音楽を繰り出す、若きメンデルスゾーン!ベートーヴェンの影響を受けつつ、楽聖のドラマティックさ、ロマンティックに昇華し、堂々たる音楽を響かせる、2番に、ロマン主義と古典主義が絶妙に織り成され、新古典派、ブラームスを予感させる1番の充実... やっぱ、メンデルスゾーン、半端無い。

からの、3番は、ちょっと古典主義へと還るような感覚があって、おもしろい。還って、弦楽四重奏という編成がよりキビキビと機能し、キラキラし出すあたりに、弦楽四重奏という編成は古典主義のものなのだなと、改めて、感慨を覚える。で、古典主義をきっちりと習得できているメンデルスゾーンの優等生性が、ここで活きる!いや、惹き込まれる。

でもって、ヴァン・クイックQの演奏ですよ!無駄なく、極めてスムーズに弦楽四重奏を織り成しつつ、そこから、ブワーっと豊かなサウンドを響かせる!だから、メンデルスゾーンの凄さ、鮮やかに、雄弁に湧き上がり、惹き込まれます!いや、メンデルスゾーンというイメージを越えさえする豊かさ、圧倒された!

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