見出し画像

7月25日、若きブラームスは、ラヴリーでした。

ドイツの老舗、室内アンサンブル、リノス・アンサンブルによる、ブラームスのセレナード、1番(オリジナル九重奏復元版)と2番。

ブラームスというと、まるで某魔法学校の校長先生みたいなイメージがあるのだけれど... そんなブラームスにも、若い頃、ありました(クララもよろめく美青年!)。という、1857年(シューマン夫妻に見出されての4年後... )、24歳となったブラームスは、ドイツの小さな領邦、リッペ・デトモルト侯国の宮廷音楽家として招聘(祝、初ポスト!)される。そこで書かれたのが、ここで聴く、セレナード、1番(1857)と2番(1859)。

小さな宮廷とはいえ、ポストを得たブラームス青年の晴れがましさ感じる1番のセレナード!この録音では、オリジナルとなる九重奏復元版で聴くのだけれど、いやー、初々しさが際立っていて、何だかキラキラしている!でもって、宮廷のために書かれた音楽なればこその優雅さが印象的で... この優雅さに、古き良き時代を懐古させ、後の新古典派を予告しているかのよう。

そして、リッペ・デトモルト侯国のポストを離れる前年、1859年に完成した2番... 短いながらも、1857年以来、宮廷音楽家のポストを務めてのものだろう、より落ち着きがそこには感じられ、後のブラームスの安定感も窺えるのか... けど、やっぱり、若い!この得も言われぬフレッシュさ、この瞬間でしか響き得ないなと... で、それを引き立てるのが、少人数での演奏!

オーケストラではなくアンサンブルによるブラームスのセレナード... 初体験!で、これが実に効果的... これまでの良くも悪くもお上品で可もなく不可もなく優美なイメージを刷新する締まった響き!そこに、リノス・アンサンブル、安定の、充実と瑞々しさが余すことなく作品を引き立てて、聴き入ってしまう。で、若きブラームスのラヴリーさ、輝かせる!そう、これ、ラヴリーなんだよね...

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?