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9月23日、北欧ロマン主義、オペラも魅力的!ホーネマンの『アラジン』、侮るなかれ!

デンマークのマエストロ、ミカエル・シェーンヴァントの指揮、デンマーク国立響の演奏、ブルール・マグヌス・トーデネス(テノール)のタイトル・ロール、デンマーク国立コンサート合唱団による、デンマークの作曲家、ホーネマンのオペラ『アラジン』。

クリスチャン・フレゼリク・エミール・ホーネマン(1840-1906)。
コペンハーゲンの音楽家一家に生まれ、作曲家だった父から音楽を学び、1858年、ライプツィヒ音楽院に留学(ここでグリーグと知り合う!)。帰国後の1865年、北欧の新しい世代の作品を紹介するエウテルペ音楽協会を設立(グリーグも参加... )。ハルトマン(18世紀にドイツからやって来た音楽家一家出身... )、ゲーゼ(かつてメンデルスゾーンの右腕としてライプツィヒで活躍した... )ら、楽壇を支配する保守的な大家たち、前期ロマン派を向こうに回し、後期ロマン派の牽引役として大きな役割を果たした。

というホーネマンが、デンマークの劇作家、エーレンシュレーアーの台本(ニールセンは劇音楽を書いている... )を元に作曲したオペラ、『アラジン』。そう、魔法のランプのオペラである。で、現在もコンサート・ピースとして演奏されるという序曲が1864年に書かれるも、全幕の完成は1888年... およそ四半世紀の時間を掛けて、じっくりと作曲された4幕の大作!

で、まずは見事な序曲に惹き込まれた!瑞々しく、ドラマティックで、何より勇壮!ドイツ・ロマン主義の名作序曲にまったく引けを取らない充実感が凄い... からの本編... いや、伊達に四半世紀を掛けてない!北欧ロマン主義のより瑞々しい音楽に彩られ、合唱大活躍、バレエありの堂々たるグランド・オペラ!ま、アラジンというには、オリエンタル味には欠けるのだけれど、ロマン主義オペラとしては、見事、雄弁に物語を展開!デンマーク語で歌われるという言葉の壁が無ければ、普通にオペラハウスの定番レパートリーになったのではと思わせる内容に驚かされ、魅了された。

という、知られざるデンマーク語オペラ、『アラジン』を紹介してくれたシェーンヴァント、デンマーク国立響!何と言うか、意気込みが違う!瑞々しくも深いサウンドが、デンマークにおけるロマン主義をしっかりと響かせ、惹き込まれた!そして、アラジンを歌うトーデネス(テノール)を筆頭に、瑞々しい歌声を聴かせ、壮大なドラマを紡ぎ出す北欧の歌手たち... 何かスケール感が違う... で、デンマーク国立コンサート合唱団がまた盛り上げる!となると、魔法のランプの物語が叙事詩に昇華され、圧巻(一方で、メルヘンであることを忘れてしまう?)。いや、この大河オペラ感、凄かった。3枚組の長丁場も聴き入った!

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