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9月8日、演奏可能な現存最古のリュートによる、16世紀の花やぐパノラマ、素敵...

ポーランドのリュート奏者、ミハウ・ゴントコが、16世紀のリュートで、ルネサンス後期、イタリア、ポーランド、ドイツ、イギリスで奏でられた作品を取り上げる、"Mortua dulce cano"。

ゴントコが奏でる16世紀のリュート... "1595"、"パドヴァにて"、というラベルの貼られた7コースのルネサンス・リュート... マルティーノ・プレスビテルの作と伝えられるも、実際はよくわからず、1595年に製作されたのか?修理されたのか?覚束ないものの、演奏可能な現存最古のリュートのひとつだろうと... というリュートを味わう、"Mortua dulce cano(死者は甘く歌う)"。いや、現存最古が放つ得も言えぬ朗らかさたるや!

その朗らかさを以って響き出す作品は、16世紀、ルネサンス後半の音楽... このリュートが生まれた、イタリアに、ゴントコの母国、ポーランド、さらにドイツ、イギリスの作品が取り上げられ、伊―ポ―独―英、4つのセットから構成される。いや、それぞれが持つカラー、そこはかとなしに感じながら、展開される、16世紀、ルネサンスのパノラマ...

ぱぁーっと花やぐイタリア(ガリレオ父の作品など... )から、実は侮れない、何とも優美なポーランド(16世紀、ミラノから王妃が来たり、フランスから王様が来たりのポーランド、実は国際的?)、そして、やさしいドイツ(コラールで始まるあたり、まさにドイツ!)、伊達なイギリス(リュート大国の余裕、感じられる!)と、なかなかに盛りだくさん。

で、あえて有名どころは外すゴントコの選曲、マニアック... けど、隠れた名曲を掘り起こすことで、より時代の匂いを引き立てるようでもあり、そのあたり、絶妙... 何より、その芳しい演奏!7コースから爪弾かれる豊かな響き、こぼれ出す詩情、漂う甘やかさ... 魅了されます!いや、16世紀の花やぐパノラマ、素敵...

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