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7月22日、多彩なエストニアのオーケストラ・サウンド、イイ!

パーヴォ・ヤルヴィ率いるエストニア祝祭管が、母国、エストニアの現代の作曲家たちによるオーケストラ作品の数々と、20世紀後半のエストニアを代表する作曲家、スメラのオリンピック・ミュージックIを取り上げる、"ESTONIAN PREMIERES"を聴いた。

トヌ・クルヴィッツ(b.1969)の「月の光に」(2020)、ウロ・クリグル(b.1978)の「コルダ」(2013)と「ザ・ボウ」(2021)、ヘレナ・トゥルヴェ(b.1972)の「影はあなたの後ろに」(2011)、タウノ・アインツ(b.1975)の序曲「エストニア」(2014)という、今、活躍中のエストニアの作曲家たちによる近作に、レポ・スメラ(1950-2000)が、1980年、モスクワ・オリンピック、ヨット競技(会場がエストニアの首都、タリン... )のために書いたオリンピック・ミュージックI(1980)を取り上げる、"ESTONIAN PREMIERES"。

で、まず興味を引くのが、スメラによる機会音楽!環境音楽として会場に流されたのだろう、アンビエントな音楽で... いや、アンビエントな中に、いろいろなイメージが朧気に浮かび上がるような、シベリウスの延長線上にあるセンスも聴き取れて、魅力的!てか、"2020"で演奏されていても違和感のない現代性に、ちょっと、驚いた... で、惹き込まれた!

もちろん現役世代による作品も魅力的... ペルトっぽいエモさもあるクルヴィッツ、サロネンのような透明感とアグレッシブさがクールなクリグル、サーリアホ味ある音響が印象的なトゥルヴェ、シベリウスを思わせる瑞々しさ響かせるアインツ... 民族的にフィンランドと兄弟関係にあるエストニアの、フィンランドに近いサウンド、印象的で、どれもイイ!

という、エストニアの現代オーケストラ作品の数々、パーヴォ+エストニア祝祭管で聴くのだけれど... まず、その瑞々しいサウンドに惹き込まれる!そして、その瑞々しさを活かし、現代の作品を解き解すようなパーヴォの指揮!初めて触れる音楽が、スーっと身体に染み渡る... このスムーズさ!からの、確かな聴き応え!最高...

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