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3月24日、サックスのとっぽい感じ×現代音楽の気難しさのケミストリー... 現代サックス協奏曲集、"SAX"!

現代音楽を得意とするサックス奏者、マルクス・ヴァイスが、エレナ・シュヴァルツ、エミリオ・ポメリコが指揮するケルンWDR交響楽団、カスパー・デ・ロー率いるウィンドクラフト・チロル(管楽アンサンブル)の演奏で、エトヴェシュ、ハース、バルタカス、シュタウトのコンチェルトを吹く... 現代サックス協奏曲集、スバリ、"SAX"!
WERGO/WER7389

現代音楽の大家、エトヴェシュ(b.1944)の、サックスとオーケストラのための協奏曲、「フォーカス」(2021)に始まり、オーストリアのスペクトル楽派、ハース(b.1953)の、バリトン・サックスとオーケストラのための協奏曲(2008)、リトアニア出身、ドイツで学んだ、バルタカス(b.1972)の、ソプラノ・サックス、アコーディオンと室内オーケストラのための「サクソルディオンフォニクス」(2013)、もうひとり、オーストリアの作曲家、シュタウト(b.1974)の、サックスと管楽器、打楽器のための「暴力的なできごと - ブルース・ナウマンを讃えて」(2005-06)を取り上げる、"SAX"。

サックスのとっぽい感じ×現代音楽の気難しさ、ぶっちゃけイケるんか?みたいな印象も無くは無いところからの"SAX"なのだけれど、いやいやいや、サックスなめんな×現代音楽なめんな、による見事な相乗効果?ケミストリー!おもしろい!現代音楽というフォーマットの中で、"サックスらしさ"、しっかり楽しませてくれたエトヴェシュ、音響系のスペイシーさ、存分に響かせるハース、アコーディオンと絶妙な相性を見せながらの朗らかな抽象、心地好く繰り出すバルタカス、ビターに"ゲンダイオンガク"を繰り出せば、フリー・ジャズっぽさも漂わせるシュタウトと、多彩!

という、"SAX"を聴かせてくれたヴァイス。サックスらしさと、現代音楽だからこその"らしさ"を越えてゆくトリッキーな演奏、鮮やかにこなし、縦横無尽のパフォーマンスで魅了!そこに、シュヴァルツ(エトヴェシュ)、ポメリコ(ハースとバルタカス)が指揮するWDR響、デ・ロー率いるウィンドクラフト・チロル(シュタウト)が、それぞれにコンチェルトとしての魅力、現代音楽としての魅力、しっかりと形にし... アンゼロッティのアコーディオン(バルタカス)が絶妙にサックスと響き合い... それら、相俟って、思いの外、現代音楽がカッコいい!


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