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9月12日、英国流とイタリア式、ルポのファンタジアは、リアル...
イギリスが誇るヴァイオル・コンソート、フレットワークの演奏で、イギリス・ルネサンス爛熟期のヴァィオル奏者、ルポのファンタジア集。
トマス・ルポ(1571-1628)。
イタリアからやって来た音楽家一家(おそらくミラノ出身の祖父がまず渡英、その後、ヴェネツィアから父が渡英... )の下、おそらくロンドンで生れたルポ... 16歳でエリザベス1世(在位 : 1558-1603)のコンソートに加わり、ステュアート朝への王朝交代の後も王家のヴァイオル奏者として演奏を続け、イギリスならではのヴァイオル・コンソートの黄金期を担った。
というルポの、3声、5声、6声のヴァイオル・コンソートのためのファンタジア、20曲が取り上げられるのだけれど... いやー、興味深い!イタリアの音楽家一家、ルポ家が培ってきただろうイタリアのスタイルが、トマスにより、英国流、ヴァイオル・コンソートに落とし込められ、また新たなテイストが生まれている... まさに、イギリス×イタリアの魅力!
バロック前夜のルネサンス・マドリガーレ(ルポはマレンツィオの影響を受けているとのこと... )の情感に溢れる歌い、そのままヴァィオルが奏でるようで、ヴァイオル・コンソートにして、また雰囲気が違う!それは、ファンタジーというよりリアル?ルネサンスらしいふわっとした英国流とはひと味違う、イタリアのバロック前夜の生々しさ、孕むのか...
というルポのファンタジアを聴かせてくれたフレットワーク。いつもながら手堅く、ヴァイオルのありのままを響かせて、ルポの音楽を丁寧に紐解いてゆく... 丁寧に紐解いて、そこに籠められた英国流とイタリア式、じわっと浮かび上がらせ、2つの感性は寄せては引き、足して二では割り切れない興味深い世界へと誘う。
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