焼きいものがたり４　ぼそぼそ

何だこのぼそぼそ感は、、、

私はまた家まで待てなかった。公園のベンチで肩を落とす。

ぼそぼそしていて全然美味しく感じないのだ。

もちろん、今まではねっとりした🍠ばかりを食していたので、ギャップが大きかったとも考えられる。

しかし、これはひどい。今日はなぜだか口の中のやけどがいつにも増してひどく感じられる。

「あと、まだこんなにある、、、」

そう、🍠には一定数「ハズレ」が存在することを始めて知るのである。

落ち込んでいると、冷たい向かい風が吹く。

「うわ、寒っ！！最悪！」

向かい風が少し好きになったはずだったのに、、、

「私の好き嫌いってそんなものなのかね、、、」

！！！

「いや待てよ。そもそも🍠ってねっとりしていなかったらダメだっけ。私が小さい頃に食べていたのってそんなにねっとりしていたっけ？」

たくさんの疑問、気づきが頭の中を駆け巡る。

いったん呼吸を整え、心を落ち着ける。

もう一度食す。

「いや、美味しい。確かにぼそぼそしているが、芋の甘さは感じられるし、私が小さい頃に食べて居たような🍠の中では上位に入るほど美味しいかもしれない。」

私は、やけどの痛みも忘れていたことに気が付いた。

アタリもハズレもなく、その時、私を選んでくれた🍠に感謝したい。

🍠はたくさんのことを教えてくれる。

やけどすると口が達者になるのかもしれない。