約29年の生命のリズム
進行図について
西洋占星術の未来予測の方法の一つとして、進行図というのがあります。
セカンダリーディレクション。「1日1年法」
1日=1年として、生まれた日から1日目を1年後、2日目を2年後として、出生図を動かし、大きな流れを観ていきます。
1日と1年は相似系としてシンボリックにリーディングします。
これがびっくりするくらいその通りで・・・
そもそも占星術は太陽を中心とした地動説ではなく、地球を中心とした天動説。
科学ではなく、シンボリックな不思議な世界です。
どう占ってくかというと
360度を12星座でわると、1つの星座は30度
太陽は1日に1度進むので、約1ヶ月で1つの星座を運行します。進行図では、1年に1度進むことになり、私の場合太陽は生まれた時てんびん座の11度にありました。現在、そして1年に1度ずつ進み、数年前からいて座に入っています。(年齢が大体バレますね。)
その1年に1度ずつ動く、進行の太陽の動きを基準として、他の天体も動かしていくのが、セカンダリーディレクションという技法になります。
今回は月にフォーカス
進行の太陽については、またの機会にして、今回掘り下げたいのは、進行の月であり、太陽と月の関係、月相です。
進行図の中で、まず観測しなければいけないのが、太陽よりも、月だと思います。とっても重要。
プログレスの月、進行の月と呼んだりします。
まず月が表すものは
占星術の世界における月は、
最も「冷たくて、湿った」質。
女性性に関連づけられ、
妊娠や月経周期を司り、
夜を支配する天体。
無意識
情緒
受容
変化
身体性
子供の頃の記憶
感情
豊穣 etc…
太陽が意識的、また理性的であり、「目覚めている」天体であるとするならば、月は、無意識で、感情的であり、「眠っている」天体・・・かな。
そして進行の月は約1ヶ月で1度動き、約29年で12星座をひと回りすることになります。
占星術的に進行の月は、その時々のこころのセンサー、こころのありか。
「いまここ」のあなたの身体やこころが、どこに集中し、どこに向かおうとしているのかを察(はかり)ます。
具体的には、ハウス(分野)や星座(どのように)やアスペクト(関わり)を観測し、「やる気スイッチ」がオンなのかオフなのかなどもわかったりします。
例えば、進行の月が第1ハウスにあるとすると、1ハウスは「私」を表すハウスですので、私自身にフォーカスし、「あり方」を見直す約2年半。
(29年÷12ハウス=2.5年)
「あり方」には、生活習慣、健康管理、また思考のパターンなども含みます。
第2ハウスなら、お金や資産について見直す時。
というか、不思議なことですが、自然と気持ちがその時々のテーマに向かうという言い方が合っているかなと感じます。
自分で生きているようで・・・生かされてている。
何といっても惑星は神話の神様と関連ずけられますので・・・
出生図の月相について
やっと本題。
月は、約29日の周期で、新月→上弦→満月→下弦と、月は満ち欠けを繰り返します。
それぞれの出生時に月がどの相の時に生まれたかは、その人の質に影響を与えます。
・新月〜上弦生まれ・・風の質「温かく、湿った」
幼い子供のような陽気な性格
・上弦〜満月生まれ・・火の質「温かく、乾いた」
青年期の活力と意志に満ち溢れる性格
・満月〜下弦生まれ・・地の質「冷たく、乾いた」
壮年期の経験と知識に裏付けされた落ち着いた性格
・下弦〜新月生まれ・・水の質「冷たく、湿った」
限界を知り、責任感を持った成熟した性格
例えば、私は上弦〜満月の時期に生まれています。
出生図の火の質は、どちらかと言うと弱い方ですが、直感に従って行動する質もあるし、同じことをやり続けると飽きてしまうところもあります。
詳しく知りたい方は、鏡リュウジ先生の「占星術の教科書Ⅲ」に
もっと細かく書かれています。
進行図の月相
そして出生図の月相をスタートとして、進行の太陽と月がさまさまな相を形成します。
1年を通して、新月から次の新月までが約29日間ですので、進行図では、約29年かけて、新月から次の新月まで月の満ち欠けがあるということになります。
進行の月が、いまどこにあるかと言うことを知ると同時に、いまどんな月を人生の中で、形成しているのかを知ることも、生き方を選択するひとつの基準になるかと思います。
特に重要なのは新月。
新月で、太陽の生きる目的の種を月が受け取り、
発芽させ育て、
約7年半後の上弦の月で、見直しや新たなチャレンジをし、
約15年後の満月に成就させ、実をつけ形になり、
約21年半後の下弦の月で、自分の限界を知り、責任を自覚し、
下弦から7年半後の新月に向けて、物質的にも人間関係、精神的にも、整理整頓し、新しい種に備えていく。
全ての人がそんな人生大きな生命サイクルを数回繰り返しながら、人生を全うしていきます。
進行の新月のタイミングで、どのハウスのどの星座に新しい種を手渡したのかなども、分析することによってより深く知ることもできるし、また一つの星座30度に全ての意味を持たせたサビアンシンボルなども見ていくと、どこまでも深く掘り下げることもできます。
月相と土星の関係
この月相の29年のサイクルは、土星の運行サイクルとほぼ同じ。
土星は約28から29年かけて12星座を運行します。
松村潔先生は、月相のサイクルは内側からの欲求であり、運行中の土星が、外側から求められ、形にするテーマであるとおっしゃっています。
土星は時間を支配し、私たちに限界や制限を与える天体。
現在土星は、みずがめ座に位置しています。
そして来年2023年3月には、うお座に移動します。
それぞれのホロスコープで土星がどのハウスと位置にあるかで、形にしていくテーマを確認します。
その限られた世界の中で、どう自分の欲求と向き合い、形にしていくのか・・・
進行の月と運行中の土星を知ることは、年齢とともに、魂が成長していくテーマを知る鍵を手に入れることかもしれません。
月が最も私達が住む地球に近い天体であり、土星が最も遠い天体。
(トランスサタニアン・天王星、海王星、冥王星を除いて)
占星術の世界は、全てが調和に満ちた世界です。
たまらなく惹きつけられる世界。
最近では、無料でホロスコープを作成するサイトやアプリもたくさんあります。
月についてはまだまだ語りたいことがたくさん。
またの機会に。
読んでいただきありがとうございます。
Otono波 akari
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