【人生相談 駆け込み寺】第6回「若手社員とどう接すれば……」
浜の真砂は尽きても、世に悩みの種が尽きることはありません。いったん落ち着いて、胸に手を当ててみたりもして、果敢に無難に乗り越えていきましょう。※「夕刊フジ」で2016~2018年に連載(全17回)
【今回のお悩み】最近、若手社員とのジェネレーションギャップを感じてしようがありません。どうも仕事への執着心が感じられないのです。一度ミスした後輩を「心構えがなっていないからだ」と注意したら、上司にチクられ「やり過ぎだ」と言われました。私には昔、「死ねや」と言っていた、その上司も今ではすっかり若手に甘い顔をしています。4月になったら、また新人が入っきます。どう接したらいいんだよ、と考えるだけで憂鬱です。(会社員・男性 37歳)
たとえば「よし、俺も今日から福山雅治のようになるぞ!」と決意しても、それはけっして実現しません。私も、けっこう強く願っていますが、一ミリも近づけないまま生涯を終えることになるでしょう。
例が極端だったかもしれませんが、仮に「正しい接し方」というものがあって、その通りにしようと決意したところで、きっとできません。無理に形だけ真似ても、不気味な印象を与えるだけだし、ストレスに満ちた毎日になりそうです。
「どう接したらいいか」を考えるのは、「どうすれば福山になれるか」を考えるのと同じぐらい、無駄で無意味な行為。そもそも「正しい接し方」なんてありません。
どう接したとしても、しょせんは一長一短です。押しつけや独りよがりには気を付けるとしても、あなたはあなたなりのやり方と考え方で、「仕事への取り組み方」や「社会人のあるべき姿」を教えてあげましょう。
それをどう受け止めてどう生かすかは、相手の心がまえや力量次第。相手の反応はコントロールできないので、たまに逆恨みしてくるヤツがいたとしても、「知ったことか」と流せばいいし、それが大人の覚悟です。
嫌われたくないからと甘い顔をしても、姑息な魂胆を見透かされて余計に嫌われるのがオチ。迎合して言うべきことを言わないのは、年長者としての役割の放棄でしかありません。
とはいえ、実際の場面では、つい迎合してしまうのが常です。力を込めて「俺は俺のやり方しかできない」と強く決意することで、ちょうどいい感じに、少しは役に立つ先輩になれるでしょう。
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