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【人生相談 駆け込み寺】第4回「同期が『ゲイ』告白……」

浜の真砂は尽きても、世に悩みの種が尽きることはありません。いったん落ち着いて、胸に手を当ててみたりもして、果敢に無難に乗り越えていきましょう。※「夕刊フジ」で2016~2018年に連載(全17回)

【今回のお悩み】先日、会社の同期の男性と飲んでいて、「実はゲイなんだ」とカミングアウトされました。同期とは入社以来20年ほどの付き合いです。その場では酒の勢いもあり、「ゲイでも関係ないよ」と大いに盛り上がったのですが、翌日になって、その同期と今後どう付き合っていけばいいのか分からなくなりました。頭では「良くない」と考えるのですが、どうも同性愛を生理的に受け付けることができないのです。私は今後どうしたらいいでしょうか。(会社員・男性 43歳)

 もちろん、異性が好きだろうが同性が好きだろうが、趣味の違いに過ぎません。差別するのは言語道断だし、自分に発情されたどうしようと思うのも、余計な心配。自分だって、異性の同僚に見境なく発情しているわけではないし、向こうにも好みがあります。

 ……と、頭ではわかっていても、生理的な感覚はままならないのが、こういう問題の厄介なところですよね。

 何はさておき、戸惑いやマイナスの感情は絶対に顔に出さないのが、大人の意地でありプライドです。嫌いな上司にニコニコすることができるなら、何も悪いことはしてない同僚に、普通の態度で接することができないとは言わせません。

 うわべの対策と合わせて、内面も叩き直したいところ。同性愛に対する失礼千万な拒絶反応を薄めるために、「未知の性癖」を受け入れる訓練を重ねてみましょう。

 奥さんや彼女がいるなら協力を仰ぎ、いないならプロの手を借りて、今まで体験したことがなかった「新しい扉」をどんどん開いてみます。縛ったり縛られたり、道具やコスチュームの力を借りたり、特殊な嗜好を追求したり……。

「こんな世界があったのか!」という驚きや感動を覚えれば覚えるほど、自分が同性愛にどれだけ無意味な偏見を持っていたか、いかに固定観念に縛られていたかを思い知って、多様な生き方を受け入れられる自分になれるでしょう。

 しかも、新たな快感に出合って人生が広がるという、嬉しい副産物もあります。勢いよく広がって、その同僚に特別な感情を抱く日が来たら、とても素敵ですね。

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