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【人生相談 駆け込み寺】第2回「人の不幸笑い、夫がドン引き」

浜の真砂は尽きても、世に悩みの種が尽きることはありません。いったん落ち着いて、胸に手を当ててみたりもして、果敢に無難に乗り越えていきましょう。※「夕刊フジ」で2016~2018年に連載(全17回)

【今回のお悩み】この前、同じマンションに住む、ある家の奥さんが引っ越しました。どうも事情を聞くと、ご主人のDVがひどいため、逃げるように出て行ったそうです。ご主人が一流企業に勤めているとかで、いつも自慢している嫌な人でしたので、話を聞いたとき、同情ではなく、思わず「ざまあみろ」と思ってしまいました。そのことを夫に話すと、「人の不幸で喜ぶのは、趣味が悪い」とドン引きされました。人の不幸を喜ぶ私はおかしいのでしょうか。(主婦 38歳)

 おやおや、余計なこと言っちゃいましたね。心の中で「ざまあみろ」と思っているだけなら、バレなかったのに。

 嫌な人が不幸な目に遭えば、そりゃあ喜びたくなるでしょう。人間には、食欲、性欲、睡眠欲と同時に「人の不幸を喜びたい欲」があります。喜んでしまうのは自然の理なので、どうか自信を持ってください。

 あなたの落ち度は、人の不幸を喜んだことではなく、それを夫に話してしまったことにあります。誰もが心の中では邪悪なことを考えているのが大前提なだけに、なるべく表に出さずに隠しておくのが大人のマナー。うっかり漏らされると、自分の恥ずかしい部分を見せつけられているような気になってしまいます。

 夫だって日頃、人の不幸で喜んでいないわけがありません。たぶん無意識にですが、後ろめたさを刺激されたことで不愉快になって、ドン引きしたりあなたを非難したりしたのでしょう。

 こういうキレイごとを言うタイプは、「人間だもの。仕方ないじゃない」と開き直っても、それを受け止める度量はありません。ここは「人の不幸を喜びたい欲」をくすぐることで、気まずい雰囲気を払拭しましょう。

 夫の前で「ああ、私はウカツなひと言で、夫に軽蔑されてしまった不幸な女なの……」と、大げさに嘆いてみてください。「口は禍の、いや不幸の元ね……」というセリフもオススメです。

 あなたの不幸な女っぷりを見て、夫はきっと内心では喜んでくれるはず。たとえその自覚はなくても、あなたへの愛おしさが募って、今まで以上に仲良くなれるでしょう。ぜひお試しください。

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