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【人生相談 駆け込み寺】第5回「働かない50歳の兄と縁を切りたい」

浜の真砂は尽きても、世に悩みの種が尽きることはありません。いったん落ち着いて、胸に手を当ててみたりもして、果敢に無難に乗り越えていきましょう。※「夕刊フジ」で2016~2018年に連載(全17回)

【今回のお悩み】先日、父が亡くなりました。母はすでに故人で、妹がずっと父の面倒を見ていたのですが、妹から衝撃的な話を聞かされました。どうやら、兄は父から毎月、30万円ほど仕送りしてもらい、生活費にしていたらしいのです。50歳の兄は独身で、5年前に仕事をやめ、それからは一切働いていません。父の遺産を兄妹3人で分けても、すぐに使い果たしてしまう気がしてなりません。妹は「縁を切りたい」とまで言いだしています。(会社員・男性 47歳)

 これまでの仕送りについては、不満はあるでしょうけど、お父さんが自分のお金を好きに使ったってことで、もう忘れましょう。話をシンプルにして、未来のことを考えるほうが大切です。

 あなたも妹さんもたぶん思っているように、この先お兄さんが、心を入れ替えてきちんと働くようになる可能性は、あまり高くないでしょう。

 もし、あなたが有り余るほどお金を持っているなら、お兄さんに援助を続けるてあげるのが、いちばん気が楽です。そうじゃないなら、妹さんの言うように、縁を切る、少なくとも援助は一切しないと決断しましょう。そうしないと、やがて共倒れになるし、あなたや妹さんに子どもがいる場合は、甥や姪である子どもに大きな荷物を抱えさせることになります。

 あなたも「いざとなったら縁を切るしかない」ということは、じつはわかっているはず。そのときの罪悪感と迷いを振り払うために、今から準備を始めましょう。

 縁を切る覚悟ができてさえいれば、お兄さんに嫌われることは怖くありません。顔を見るたびに「いつになったら働くんだ」「俺も妹も面倒を見る気はないから」と耳の痛いことを言い続けます。きっとケンカになるでしょうが、ひるまず、ふがいなさやだらしなさを厳しく責めましょう。

 万が一、心を入れ替えて働き始めたらそれでよし。いよいよ切羽詰まったら、「やるだけのことはやった」と納得した上で、公的機関と相談するなどしつつ、縁を切る決断をすることができます。

「悪者」になるストレスと一生苦しめられるストレス、どっちがマシか、よく考えましょう。

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