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俺たちに明日はあるか続々ゾクゾクゾクゾクゾクゾクゾクゾクゾクゾクゾク(コメディ)

「君の眼差しが眩しくて、俺はまともに目線を合わせられない。
暑い太陽にくらくらするみたいに、フラれたってかまやしない。
なんとかなるさ、ゲセラセラ。
君の美脚が眩しくて、俺はまともに目線を合わせられない。
汗ばむ季節にくらくらするみたいに、
なんとかなるさ、ゲセラセラ~~~♪」

俺は、お父ちゃんが昔歌っていた歌を思い出しながら、
歌を作って歌ってみた。

俺が懸命に歌詞を書いているのに、
ショーも、ユキもどうも落ち着きがない。
どこかに出かけているみたいだ。

ビックニュースが、聞こえてきた。
村に、移住者が来たらしいのだ。
おばぁちゃんが俺に教えてくれた。
「美人さんらしいよ。お店を始めるんだって。」
「へー。」
おばぁちゃん達の連絡網は、携帯よりも優秀だ。

俺は、落ち着きのないショーの後をこっそりついて行ってみた。
一軒家から、女の声とショーの声が聞こえてくる。
「お忙しいのに、すみません。」
「いえいえ、とんでもない。超お暇ですから、なんでも手伝います。」
「なんでも、言ってください。これは、どこにしまったら?」

俺がこんなに必死なのに、超お暇だと、、。
しかも、ユキの呑気な声まで聞こえるじゃないか?
どうせアホ面を下げて、鼻の下を伸ばしているんだろう。
女の存在の前では、男の友情は風になびくペラペラ、薄っぺらなテッシュイカなのか?
俺は、そんな事を考えながら腕組みをして、星空を仰いでいた。

「よ、トキオ。何してんねん。」
振り返ると、トムだ。

「なんだ、お前も知って手伝いに来たんか?
姉ちゃんの大学の友達の姉妹が引っ越して来たんや。」
と言いながら、玄関のドアをガラガラ開けた。

「今晩は、トムっす。友達と手伝いに来ました。」
「トム君、上がってよ。」

「友達のトキオも手伝いたいそうです。」
「わー、ありがとう!助かるわ。」

トムはこっそり俺に耳打ちした。
「トキオ、鼻の下が伸びたぞ、ユミちゃんはどうするんだ?」
と茶目っ気たっぷりに、ウインクした。

ユキとショーが、「なんだよ。もうかぎつけたのかっ。」てな顔をしている。
「おめえらこそ、抜けがけしあがって、、。」俺は、心の中で返事した。

もう、俺たちの中では、熾烈なせめぎ合いが始まっているのだ。
しばらく、おばぁちゃん達しか見ていない俺たちの目には、彼女達が
とびきりの美女として映し出されていた。

↓以前の話はこちら

#大人のぬりえ #コメディ

最後まで、読んで下さってありがとうございます! 心の琴線に触れるような歌詞が描けたらなぁと考える日々。 あなたの心に届いたのなら、本当に嬉しい。 なんの束縛もないので、自由に書いています。 サポートは友達の健康回復の為に使わせていただいてます(お茶会など)