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俺たちに明日はあるか続々ゾクゾク編

この頃お父ちゃんに育ててもらってよかったんじゃないかと思うようになった。
小学生の頃は、お父ちゃんが参観日に来たら、嫌だった。
他のお父さんは、ネクタイを締めてスーツを着て来てるのに、
うちのお父ちゃんは、ダメージジーンズを履いて、革ジャンだ。

来てもらっても、ありがた迷惑だった。
綺麗なスーツ姿のお母さん混じって、革ジャンのボサ頭。
俺は知らないふりを決め込んでいた。

やっぱり、お父ちゃんは普通の人ではなかった。

お父ちゃん達は、農作業小屋をDAYで修理し始めた。
寒くなってきたので、断熱材を入れたり、防音を兼ねて、
壁を補修するようだ。

「お父ちゃん、何するん?」
「DJハウスや。」

「え、この田舎で、。」
「レコードもさ、並べてさぁ。」

「DJになるんやぁ。そしてさぁ、DJ尾崎さんこの曲どうでしょう?
うん、プロモーション?わざわざ、来たの?どこから、。
へー、東京から、。てな、感じでさぁ、。」
「????」

お父ちゃんには、この農業小屋がDJハウスに見えるらしい。
お父ちゃんは、幸せな人だ。
何が、あってもへこたれない。
この、農業小屋がDJハウスに見えるなんて、お父ちゃんぐらいだ。

そして、ショー。
「おじさん、かっこいい〜〜。僕も仲間に入れて下さい。」
「わかってくれる?」

この二人のそばにいると、俺はまるで凡人だ。


続く



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