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二度目のホーチミン。バイタクに乗って。

2018年8月
私は二度目のホーチミンを訪れた。
今回は一人でなく、友人との二人旅だ。

私の趣味(当時は)の雑貨探しに
友人が付いて行きたいと言うので
一緒に行くことにした。

二人で話す中、
アンコールワットを見に
カンボジアのシェムリアップを
目指すことにしたが、
せっかくなので
乗り継ぎで経由するホーチミンにも、
宿泊しようということになった。

そんな経緯で
私は3年半ぶりにホーチミンを訪れた。

友人からバイクタクシー(以下「バイタク」)
に乗りたいとのリクエストがあったので、
ぼったくられそうで正直嫌だったが、
乗ってみることにした。

一昔前に日本で流行ったギャグで
冷やかしてきたおじさんに声を掛け、
そのおじさんが
もう一人友人らしきおじさんを呼んで、
私たちとおじさん2人の
ホーチミン市街巡りが始まった。


結論を言うと、

怪しげなお茶屋さんで
巷より遥かに高額な
お茶やコーヒーの購入を強要され
(買うと言うまで帰してくれなかった)、

夕方に予約していたマッサージ店の
予約時間になっても帰してはくれず
(訴えても「大丈夫大丈夫!」と
言われるだけだった)、

最初に提示された額の1.5倍くらいの
代金を最後に請求され
(「チップだよ」とのことだった)、

初めてのバイタク旅は幕を閉じた。




まさにぼったくりで
嫌な気持ちになったが、
バイクでホーチミンの市街を
駆け抜けているときは
とてもスリリングで、爽快で、
気持ちがよかった。

途中、川の上の橋を渡っているタイミングで
私は後部座席から運転席のおじさんに
声をかけてみた。

「おじさんはどこに住んでるの?」と。
「あそこだよ。」と彼が指差したのは
川沿いにずらっと並ぶ
ほったて小屋のような家屋だった。
「とても貧乏。」と彼は言った。

おじさんは2人とも
日本語と英語がペラペラだった。
運転しながら見せてくれた小さなノートには
日本語がぎっしりと書かれていた。

「どうやって勉強したの?」と訊ねると
「自分で。」と。



バイタクのおじさんはとてもたくましい。

高額な代金を請求されて
嫌な気持ちになったけれど
彼らにとっては
生きる術なんだろう。

「貧乏」と自分で言う環境から
生きるために
二か国語を習得したのだろう。


頭が上がらない。



つい、環境などの外的要因のせいにして
スタートを切れなかったり、
始めたことを
途中で投げ出したりしてしまうけれど、
結局は何事も
自分のマインドの問題なのかもしれない
と感じた。

そして、
もしそうなのであれば、
自分も何でもできる気がした。
無意識にできないと
暗示をかけているだけかもしれない。


翌日、
立ち寄った現地の雑貨屋さんにて
日本人店主に
「バイタクなんか絶対乗っちゃだめ。
変なお茶屋さん連れて行かれたでしょ?
あそこは粗悪品ばっかりだよ!」
と言われ、

買い付けに付いていく!
と言ってくれた友人は
私があまりに歩き、
一つのお店での滞在時間が長いので
ほとほとに疲れ、
歩いている途中でしゃがみこんでしまった。


そして私に一言。
「そんなに買ってどうするの?」

友人には申し訳ないことをした…

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