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全力で後ろ向き

何もかもいやになったとき。
全て投げ出したくなってしまったとき。

それでも、なんとかここにいなきゃと
踏みとどまらせるものがあって、
ますます、悩み始めて途方にくれたとき。


前髪から垂れ下がっている分身を指でつまみ、痛みと共に思いを込めて車の窓から放り投げる。


こころのなかでフッと音がして、
何かが流れ軽くなる。

これは僕のリセット方法の1つ。

ただ万能ではなく、
ごく稀に効く方法の1つ。


なぜこんなことを書いたのか、その理由。

僕はすぐに悩み、考え込み、
その場で足踏みすることが癖になっている。
世の中で言う、後ろ向き(マイナス思考)ってやつ。

でも、それが悪いこととは思っていない。

これまでに、
悩み考え込んだことで、自分にはない目線や、色んな価値観があることにも気付けた。

前向きを否定するつもりはこれっぽっちもなくて、
むしろ良いことだし、憧れも持っている。

ただ、僕は前向きになろうと、色んな角度の情報を取り入れたりもしたが、その場凌ぎでいつも長くは続かない。

もしかしたら、やり方の問題だったり、理解が足りないのかもしれない。

それでも僕は前向きのスピード感には馴染めず、こころがどんどんすり減っていくのを感じる。

へとへとになって思った。
「これって、本当の自分なのかな…」


前向きってことに囚われ過ぎて、
何か大事なことを忘れてしまう気がした。


こころのなかが、
ぐちゃぐちゃになることは多々ある。

それでも、その中で僕がたどり着いたこと。

『後ろ向きだって前に進める』

不恰好でも、何度転んだっていい。

自分に合った進み方を続けたい。
後ろ向きであることを自慢したい。
そんな世の中じゃないことは百も承知。

それでも、
『できるなら最後まで自分らしさを全うしたい』

「それでもいいの?」と思われるかもしれない。

きっと最後の最後も、
後ろ向きになるかもしれない。

いや、絶対になる。

でも、それでもいい。

「これが僕だから」って言う。



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