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DX推進のための体制づくり

今日は、こちらの記事で少し予告していた件。体制づくりの話を書きます。

上記の記事では、価値創成型プロジェクトには、専門的な知識やスキルを保有する相応のプロジェクトチーム体制が必要であることをお伝えしました。

まず、最初にやることは?

自組織にとって必要な「ビジネス価値」に向き合い、本当に不足している技術や人材を見極めることです。

それ故、組織経営者が現場に丸投げでは実現できないということなのです。ましては、ITベンダー丸投げでは駄目ですね。

では、どうしたら良いのか。

このような場合、業務戦略に応じて組織構造を変化させる必要があります。

既存組織でDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する際、小さく始めるのが良いでしょう。
もちろん、リスクを認識の上、経営判断として大きく舵を切り変革する方法もありますが、ある程度の規模の既存組織においてそのようなことはできないでしょう。

小さく始める

最近よくこのフレーズを聴くと思います。

具体的には何でしょうか。

新しい製品、サービスを作り出すための次の3つのキーワードを覚えておきましょう。

リーンスタートアップ
アジャイル開発
デザイン思考

リーンスタートアップとは、低コストで最低限の機能を持った試作品を短期間でつくりながら、顧客の反応を的確に取得し、満足度を上げていく製品・サービスの開発手法のことです。

アジャイル開発は、こちらの記事を参考にしてください。ここでは、具体的に試作品を短期間で作り上げる方法を指します。

デザイン思考とは、諸説ありますが、ここでは、製品やサービスの顧客体験を理解する考え方や手法を指します。リーンスタートアップとアジャイル開発を繋ぐものであると考えるとわかりやすいかと思います。

さて、本題はこのような活動のための体制についてです。

機能型、マトリックス型でいえば、後者が近いと言えますが、さらに動的に変化するという感じでしょうか。

Henrik Kniberg氏(https://blog.crisp.se/author/henrikkniberg)によると、組織構造の構成要素は以下4つでSquadが最小単位です。

Squad

目的達成に必要な最小単位のことで○○班のようなものです。
Product Ownerはいますが、LeadやManagementは不在の自己組織化されたチームになります。

Tribe
仲間
同種の仲間としてSquadをまとめた単位のことです。Tribe Leadがまとめます。

Chapter
支部
Squadに点在する同じ職務の人を束ねる単位のことです。Chapter Leadが人事評価をします。所謂人事マネージャに近いかもしれません。
※ChapterはTribe内に閉じています。

Guild
協会
組織横断コミュニティです。特定分野に関心のあるメンバーが集まって活動を行います。

これらの体制に関しては、こちらの記事がとても良く書かれていて参考になりましたので、上記の単位の関係などを理解したい方は、是非読んでみてください。 
https://www.graat.co.jp/blogs/cjurncd942v4u083076vhd3ih
https://lean-trenches.com/scaling-agile-at-spotify-ja/
https://blog.crisp.se/author/henrikkniberg

このように、既存組織でDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するには、

1.自組織にとっての「ビジネス価値」の理解

2.自組織内で不足している技術や人材の調達

を行い、小さく始めて、不具合があれば、見直して進めれば良いのです。

なお、最終的に大きなリターンを想定していますので、もちろんはじめは投資モデルです。

前の記事で、それほど難しい話ではない、と言いました。これは組織経営そのものなので、そう書きました。

確かに、方法論に沿って進める必要があり、そのために訓練された経験豊富な専門家人材は不足しているのかもしれません。また、社内に無い技術を活用したくなるかもしれません。

ですが、ビジネス課題(IssueではなくProblem)を解くべき中心人物は組織の中にいらっしゃるのではないでしょうか。

また、DX不要と考えている組織経営者の方は自組織なりのビジョン、見通しがあり、リスク対策をされているという前提のもと、必ずしもどの組織も今すぐDXが必要とは限らない、ということも併せて認識しておく必要がありますね(あくまでも今すぐ、という意味ではありますけれど)。

ということで、今日は、
DX推進が進まない、DX人材不足というニュース、メディア記事が散見されますが、表面的なメッセージに惑わされず、本質を考えましょう
というお話でした。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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