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『アンコンシャス・バイアス』人事に与える影響

この記事では、前回記事『アンコンシャス・バイアス』で取り上げた、親近感バイアス(Affinity bias)、ハロー効果(Halo effect)、確証バイアス(Confirmation bias)に2つのバイアス 同調バイアス(Conformity Bias)ホーン効果(Horn Effect)を追加し、特に人事に与える影響を考えます。

まず2つのバイアスについて。

同調バイアス(Conformity Bias)
周囲の人々と同じ行動が安全と考える心の働きです。
災害時に迷うことなく逃げ るべき状況でも、周囲の人々が逃げていない状況なので、自分も逃げなくても良いのではないかと判断してしまうことがあります。この同調バイアスの働きにより正常な判断ができなくなる例です。
一方で、同調バイアスがあることで、困難な状況の中で一致団結した助け合いが生まれるという良い側面もあるということも知っておく必要がありますね。

ホーン効果(Horn Effect)
ハロー効果とは表裏一体です。
ハロー効果が目立ちやすい良い特徴に引きずられて、他の特徴の評価がゆがめられますが、ホーン効果は逆に目立ちやすい悪い特徴に引きずられて因果関係がない特徴の評価が歪められ否定的な評価をしてしまうバイアスです。

さて、本題の人事に与える影響ですが、採用の視点、上司の評価という視点で検証してみます。

人材採用のシーンで起こり得ることとして、自分と似ている特徴を持つ人を好んで採用したり、良い評価をしたりする傾向があります。
→ 親近感バイアス(Affinity bias)が働きがちです。

採用面談を複数人で実施する場合、他の評価者が「良い」という判断をしていることを知って、自身の初期評価から補正してはいませんか。
→ 同調バイアス(Conformity Bias)が働きましたね。

また、信頼できると思っている知り合いや尊敬している人、お世話になっている人から「優秀な人材がを紹介するよ」と言われた際にどう感じますか。
→ ここでも、同調バイアス(Conformity Bias)が影響しています。

履歴書の卒業した学校名や元所属していた企業の名前を見て感じたことが評価に全く影響を与えていないと言えますか。
→ 良い学校、素晴らしい企業と思っていれば、ハロー効果(Halo effect)が、あまり良くない印象や嫌いと思っている学校や企業であれば、ホーン効果(Horn Effect)が働きます。

また、ある人がとても高く評価された良い仕事をしたと知ると、いつも良い評価になりがちだったり、逆に一度のほんの少しの失敗によりその後の良い仕事が評価されない、つまり、他の特徴を無視して何故かいつも何となく前と同じ評価ということはありませんか。
→ ここでも、ハロー効果(Halo effect)や、ホーン効果(Horn Effect)が働いていますね。

このように、他の特徴を見過ごすのは、正しく情報集めをしていないからなのです。思い込みが最新情報を正確に確認することを妨げています。あるいは、思い込みにより、都合の良い情報だけを集めてしまっています。
→ この時、確証バイアス(Confirmation bias)が働いています。

このように、人事採用を行う人事、組織管理職は、多くのアンコンシャス・バイアスが自分自身にあることを知り、その思い込みが人々のキャリア形成の障害にならないように心がける必要があります。


何か気づきがありましたら幸いです。

読んでいただきありがとうございました。


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