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人生に玩具は欠かせない。

 大人になっても玩具が手放せない。人にはおもちゃが欠かせない。そんな根源的な欲求を人は持ち合わせていることに最近やっと気がついた。
 喫煙者ならライターに凝る者もいるし、スマホのデコレーションに情熱を傾ける者もいる。つけ爪やヘソピは、自身の着せ替え人形化である。社会が用意した玩具、経済社会にあってそれらは魅力の光沢を放ち、代金と引き換えに引き取られるのを今か今かと待っている。そして人はそれらを大切に両腕で抱えて悦に入り、夢中になる。

 Wiiやプレステはシームレスに世代間の壁を超えていき、通勤電車はスマホでゲームに花ざかり。中にはLINEにいそしむ者もいるけれど、手のひらサイズで繰り広げられるデジタルの幻惑は、小さな画面越しに広がる無限の夢空間。人の空想力をデジタルのバーチャルがレバレッジをかけて押し広げている。

 車趣味に走る人は昨今とんと減ったけど、時代が任意保険の掛け金に年間17万円を課すようになったご時世に、都心の駐車場に5万円も6万円も取られるようになった都市事情に、給料をもらい始めたばかりの若者がおいそれと手出しできなくなったことがおおいに関係しているはずである。車を所有すれば置いとくだけで税金やら車検費用等を含めると、車両購入費以外に年間ざっと100万円もの大枚が消えていく。それって現代の価値観からかけ離れすぎている。欲しい玩具は車のほかにも星の数ほどあるし、その中から身の丈に合ったものを選べばいい。目移りの末の選択は自己満足の域、そこに金食い虫の車は至極当然の流れのように外されている。

 ところであなたはどんな玩具で遊んでいますか?

 私、ですか? そうですね。お絵描きふみ書き玩具と乗り物玩具です。iPadとバイクです。与えられれば、それだけで夢中になれます。わがままも言わなくなります。おとなしく、玩具に耽ります。夢中になります。
 でも、寝る間も惜しんで、というところまでのめってはいません。そんなふうに趣味に爆走してしまうと、疲れてしまうのです。適度なところで切り上げるようにしています。だってたくさん眠りたいし、お腹が空いたら美味しいものを食べたいじゃありませんか。

 人生、楽しんでいたほうが健全でしょう? 人生を、おもちゃに夢中になるみたいにして過ごしています。

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