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初メル。

 日本人はものに価格をつけるのが苦手。
 見本があればいい。でも、誰も出品してないと、てんでわけがわからなくなる。レジ打ちの数字がこんがらがって、見様見真似の当てずっぽう。高けりゃ誰も買わないだろうが、安くしすぎて大損こいた、なんて下手は撃ちたくない。どきゅん。撃たれて野垂れ死になんて、洒落にもなりゃしない。

 そこでだ。あれこれ考えた。
 自分にとってこれはいくらの価値がある?
 自分ならいくら出す?

 それをひとつの解答に。

 納得ずくの導出点だもの、後悔したって高がしれてる、そうでしょう?

 ああ、愛しの泡立て器。500円。

 厳重に慎重に包み込み、テープでとめて、これでよし。

 あれ、ずいぶん膨らんじゃった。これって送料700円? そ、そんな。
 これじゃ苦労も水の泡。

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