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都合の主張。
地球防衛隊があったなら、入隊していただろか。
世に怪獣が出たならば、やっつけたいと思っただろか。
あっちの都合とこっちの都合が噛み合わなけりゃ、何かと不快で、座りの悪い毎日がやってくる。怪獣にだって、都合っていうもんがあったに違いない。腰を降ろしたまま鎮座を続けられなくなったから、我慢できなくなったから、その大きな腰を上げたに違いない。
話せるものなら、とことん話し合えばいい。平和理に漣たった関係に鎮火剤を投入すればよい。
で、済めばよい。
済まない場合もある。さらなる話し合いができるなら、とことことんとん話し合えばよい。で、済めばよい。
海の向こうで始まった戦争は、おのおのの都合が大きすぎた。小波は中波を経て大波まで膨れ上がり、人を飲み込み始めた。
現代に現れいでたる怪獣は、話し合うことのできない人間だった。
それでも、あちらにはあちらの主張がある。利を踏まえた譲るに譲れぬ都合がある。
こんなとき、地球防衛隊があったなら、平和のために戦ってくれたのにね。どちらの肩をもつではなく、限られた甘い蜜をただただ分け合うだけじゃなく、都合とは違った次元での消火術。
「人類同士で争ってる場合じゃないよ」の演出とか。
ん? それじゃあ、あちら側とこちら側の都合と変わりない、ですって?
ん、まあ、都合というものは、主張の数だけあるものでして。
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『第六波 ひと息つく間に ロシア波 致死率下げる 特効薬待つ』
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