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「To be Continued」

二度にわたり銀幕に戻ってきたマーティ・マクフライは、3度目の旅で惜しまれつつもタイムトラベルに終止符を打った。

『バック・トゥー・ザ・フューチャー』
1985年に彗星のごとく現れ、世界を席巻した娯楽映画。

最終話となった3作目のロールエンド直前「To be Continued」の文字が浮かび上がることはないのか、あり得るはずのない現実に一縷の望みを託したフリークも少なくなかった。
それほどまでに熱狂するファンを組織した、今でも語り継がれる伝説。

最終話でデロリアンは粉々に散ってしまったけれども、タイムマシンは蒸気機関車モデルに引き継がれて西部の時代に健在だ。
希望の灯は完全には費えてはいない。

もちろんマーティの元にタイムマシンはもうない。
ドクは最新型とともに生き、マーティは舞台を降りた。

リタイヤ後、映画で再三窮地を脱し、どん底からの逆転劇を演じたマーティはこちらの世界にやってきてマイケル・J・フォックスを名乗った。
これから新しい道を、という時だった。息が止まるほどショッキングな出来事が彼を襲う。パーキンソン病発症。
不意に襲った病魔との戦いは、彼にどのような試練を与えたか。想像に難くない。

結果を見れば、不屈の精神で臨んだことがわかる。心身にのしかかる重圧で心の弓を引けるだけ引き、力を貯めるだけ貯めこんだあと豪然と希望の矢を放った。
銀幕で幾多の難関を乗り越えてきた彼は、病で落ち込んだどん底からもみごとに「逆転劇」を演じきり、誇れる人生の息を継いだ。

時は今2020年。
今ここにあのタイムマシンが現れたら、どんな冒険を期待するだろう。

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やはり求めるものは奇想天外、抱腹絶倒、ハッピーエンドの逆転劇。
本編を作る前に、そうね、まずは暗く沈んだ自粛時代をなかったことにしてもらって。

それからかな。

何に気を遣うわけでもなく、超満員の映画館で大スクリーンに映し出される物語に欣喜雀躍、酔いしれたい。

To Be Continued.

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