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本日の「あまりものでご飯」。

 食べたい料理の食材を買ってきても、どうしても使い切らず余ってしまうことがある。もらいものなんかで日持ちのするレトルトなどは「いつか作ろう」と思っても、忙しさに紛れてナイスなアイデアも霧散していく。
 そろそろ片付けなくては、と重い腰を上げるのは、いよいよ食材庫から食材があふれた時だ。

 さて、本日はあまりものご飯の日。
 文章は昨日である23日、昼食後に書いてはいるから本日のランチと書き記したけれども、イラストやら何ならの関係でnoteへのアップは24日になるので、読んでいただいている方には「前日のランチ」であることを心得ていただかなくてはならない。

 さて、朝の気温が冷え込んだ10月下旬のことである。あたたかいものでも作ろうかい、ということで棚の中を覗いたら、食べ切らずにいたマルちゃん正麺の冷やし中華が出てきた。残り二袋。いちどにふたつは欲張れる腹ではないし、味に飽きるから欲張れたとしても制覇したくないので、まずはひと袋をこなす。それでも目についたが吉日、気づいたその日に食さずして、いつ消費などできようか。
 でも、気温の低さにトレーナーを着込んだ肌寒さの日のことである。冷たい食べ方はいやだ。しかもできるだけ簡単にやっつけたい。なら、フライパンと小鍋ひとつであったかいラーメンにしてしまえ。

 乾麺に合う食材を冷蔵庫に探す。寒さに合わせるなら味噌ラーメン。味噌はある。キャベツが必要だ。あればいいなと野菜庫をまさぐる。積み上げられた野菜の奥のほうに潜んでいるやもしれん。なおも捜索は続いたが、目的のものはついに見つからなかった。
 しかたない。
 代わりとなりそうなものは……。白菜しかない。白菜かあ。嘆きのため息が漏れ出るも、こんなところで挫けてしまうわけにはいかなかった。
 白菜使うなら鍋風に仕上げりゃいいのか? で、煮込み味噌ラーメンに決定。
 あとは、と。
 幸い、ニンジンとタマネギ、それぞれ使いかけが入ってた。それと最後の1枚となった、すぐに食べなきゃしおれてしまいそうなシイタケ。チクワもあったからこいつもぶち込んでみようかい。
 それらを、塩コショウで炒めていけばよい。
 一方、チャーシューに代わるものが欲しかったから、小鍋で豚小間を煮る。味付けは、砂糖と醤油、みりんを少々、そこにニンニクを少し擦り入れて、味が馴染むまでしばし待つ。
 炒める野菜は、火の通りにくいニンジンからフライパンに投入し、順次、追加していくという流れ。コンソメのキューブを半分ちょっと包丁で削ってそのうちの一つまみを野菜炒めに振り入れる。
 豚小間に味がしみたら、肉はとりあえず別皿に取り分けておき、肉汁の出たたれにラーメン用スープの分量分の水を注ぎ入れる。こいつは野菜炒めのフライパンに移して煮るスープ用。小鍋に水を投じずフライパンに肉汁だけを移そうとしても、煮詰まった肉汁はおいそれとフライパンに引っ越してくれないからこうして背中を押してやる。
 炒め終わった野菜に注ぎ入れたスープ用の水入りフライパンに、鰹節3つまみと削っておいたコンソメの残り(2分の1こ分)を入れ、味噌大匙1弱、辛味噌味仕立てにしたかったので豆板醤を少々、ごま油とラー油を少し垂らして、煮込みはじめる。
 小鍋のほうが空いたので、洗って水を投じ沸騰させれば、インスタントの冷やし中華麺を茹で始められる。煮込み風にするために、既定の4分プラス2分の煮込み時間。
 スープの味をみて、塩コショウで味を調え、最後に生のニンニクすりおろしをたっぷりぶち込んで、どんぶりにどばっ。その上に、湯切りした麺と取り置いていた味付け豚小間を乗せれば1品できあがり。

 ラーメンふた袋じゃ多いけど、ひと袋では物足りない中途半端な大食漢は、当然のことながらこれだけでは足りない。ので、賞味期限が少し切れたいただきもののレトルトで簡易ドリアの小丼を添えることにした。
 レトルトは、味の素『「Bistro Do」なすのボロネーゼ風炒め』。パッケージには挽肉もナスもしっかり写りこんでいるものの、これはあたためてご飯にかけるだけのカレーとは違う。ナスも入っていなければ、ソースに挽肉も混じっていない。ナスも肉も別に用意しなければならないただのボロネーゼ・ソースなのだ。だけど、あのボロネーズの味であることに変わりはない。パスタに絡ませたあの味を思い出し、あれならドリアにしたって不味かないとおおよその見当をつける。
 野菜の摂取は辛みそラーメンのほうでたっぷりとれる。だからドリアは具なしで味のみの勝負。洋風ふりかけのノリである。
 食べる分のご飯を器に小盛りに乗せて、その上にレトルトのボロネーゼ・ソースをかける。そこにとろけるチーズをたっぷりめに乗せ、ベーコンを数切れ散らしてレンジでチン。500Wで5分くらいかな。チーズが溶けなかったらもう1分、2分とチンを足す。
 で、あっという間に2品の完成。調理器具も、フライパンと小鍋とレンジがひとつずつ。食材庫から食材を減らすことができたし、生命線上にかろうじてしがみついていたような白菜とシイタケを救うこともできた。なによりこの時期に冷やし中華を消化できた意義は大きい。
 減らして、満たす。本日はこれにてお腹いっぱい。

 翌日のnoteのネタも仕込んだことだし、今日(書いているのは前日)は有意義に時間を使えた、気がする。読んでいただいている方からすれば前日に起こったことなのだけれども。
 明日はまた明日で、きっと同じ時間に腹が空く。さて今日は何を食べようか、と明日の昼どき、きっとまた悩むに違いない。

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