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言い訳。

 通勤時間を含めた労働時間が1日14時間を超えると、書くための頭が働かなくなることが判明した。これは由々しき問題だ。毎日続けば週20時間の残業で、世間では過労領域に突入する警告レベルの危機である。
 ここで文章によるグラフ化でその内実をお伝えしよう。1日24時間のうち14時間が仕事関連で費やされる。睡眠時間は6時間に満たないがざっくり6時間として計算する。朝食と夕食に費やされるのが、調理時間を含め短く見積もって1時間30分。着替えとグルーミングならびに洗面を合わせて30分。入浴30分。日々の変動は大きいものの、新聞、ニュースに30分。必要最低限をこなすだけで、仕事を差し引いた10時間のうちの9割が費やされる。残された1時間でなにができるというだろう。

 人は頭を切り替えるのに思考の移行時間を必要とする。バンジージャンプですぐに谷底に飛び込めないのは覚悟が背中を押すまで思考が行きつ戻りつするからで、規模は小さいものの私たちは毎日切り替えごとに思考回路を少しずつすり減らしながら移行時間を費やしている。
 移行時間をおのおの1割必要とするとしたら、これまでの実必要時間の合計23時間に対して2.3時間、つまり2時間22分22秒が必要になることとなり、これを加えるだけで1日の使用可能時間を超えてしまう。

 上記項目には、まだ暮らしに不可欠な洗濯や電話、通信などを加えてはいない。趣味の読書時間も割愛されたままだ。経費で雑費にあたる雑時間さえ捻出できなくなる状況に置かれていたのだ。
 これでは書く時間にまわせるゆとりは確保できない。
 
 で、なにが言いたいのかというと、つまりはうまく書けないでいることの言い訳なのだろうけれどもね。時間があればあるで書く気にならない現実までもが、使用可能時間からすっぽり抜け落ちているのだけれどもね。

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