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人は虐げられている。

 ドラマを観て、小説読んで、実社会で暮らしてみて感じること。
 人は、度合いの差こそあれ、虐げられている。

 人が動物愛護の対象だったら、寸分違わぬ確率で虐待されている。

 まだ寝ていたいのに目覚ましは容赦なく叩き起こそうとするし、ウナギが食いたいのに財布は吉野家目指せと指図する。カスハラは、やれば煉獄、されれば地獄。世間で盛り上がっている昇給の恩恵は隣の芝生、いつになったら自分にその順番がまわってくるのやら。

 人は虐げられている。虐げられては、虐げていく負の連鎖。虐待は日々増殖している。

 虐げては良心の呵責に苛み、虐げられては卑屈を濃縮していく。鬱屈してしまった精神は、行く道を素直に歩ませない。斜に構えた偏屈で、物事を色眼鏡でとらえていくようになる。

 綺麗事ばかりを並べて生きてきた人はいない。だけど、綺麗に生きていきたいと人は思う。虐待に抗う人も、虐待の末、病んでしまった人たちも。

 目覚ましをかけずに過ごせる休日に、たくさん寝たいのに、爆睡を心待ちにしていたっていうのに、お隣さんったら、一家四人分の布団叩きを始めやがった。
 まだ早朝だよ。いや、世間的にはもうすでに活動時間に入っているのか? それでも個人的にはまだ睡眠時間の延長線上の時間帯。それなのに、景気良くばんばんやっている。
 そんなに執拗に叩かなくたっていいじゃない。すでに二巡目に入ってる。二巡目が終わってやっとこれで解放されると思ったら、まさかの三巡目。
 ばん、ばん、ばん。

 まだ眠ってたいのに。
 人は虐げられている。
 それでも。
 虐げられながらも生きていく。

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