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【無限HAZY IPA】投票でつくる!1周年記念クラフトビール醸造レポート ー前編ー

1周年記念クラフトビール「無限HAZY IPA」仕込み開始しました!

※「一周年記念ビールってなに?」に関する詳細はこちらにて

全5回の投票によって、「ビアスタイル」「名前」「追いホップ」「副原料」「ラベル」を決めていきました。

決定した内容はこちら!

・ビアスタイルーHAZY IPA
・名前ー無限HAZY IPA
・追いホップーエルドラド(柑橘系+トロピカルな香り)
・副原料ースパイス系+柑橘系素材

それによって原材料は以下のように決まりました。

【原材料】
麦芽・小麦・オーツ麦・レモン・ホップ・コリアンダーシード(パクチーの種)

麦芽使用率は70%以上で、アルコール度数は7.0%の予定です。

それでは早速、醸造過程をみていきましょう!

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麦芽粉砕

まずは原材料である麦芽を粗挽きにします。

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ビールを造る過程で必要なのがでんぷん。麦芽の硬い殻皮の内側に含まれている「でんぷん」を抽出しやすくするため、砕いていきます。

ミリング 機械

粉砕後

糖化・タンパク質分解

麦芽を粗挽きにしたら、次は麦汁づくり!

麦汁をつくるために、まずは糖化とタンパク休止を行います。

糖化ーでんぷんを糖に変える作業のこと。ビールに必要なアルコールと炭酸は、酵母が糖を食べることで生まれるのですが、麦芽には酵母が食べられる糖は少なく、でんぷん(糖が鎖状になった状態)で存在しています。なのでまず、でんぷんを酵母が食べることができる糖へと変えてあげるのです。
タンパク休止ー麦芽のもつ酵素でタンパク質を分解すること作業のこと。麦芽の酵素で分解されたタンパク質は、アミノ酸やペプチドに分解され、酵母のエサとなったり、ビールの味や香りの成分やビールの泡持ちに寄与したりします。

それでは実際の工程をみていきましょう!

まずは糖化に必要な酵素が、最も働きやすいpHにするため、レモン果汁を投入します。

仕込み01ph調整レモンジュース (1)

その後、原材料である麦芽、小麦、オーツ麦を仕込み窯に入れ、

仕込み02麦芽入れる

ファーストウォートホッピングとしてモザイクを投入します。ファーストウォートホッピングの目的は複雑でまろやかな苦味、風味、香味を引出すため。ここで投入するモザイクは柑橘系の香りのホップですが、香りはほぼ残らず、苦みだけが引き出されます。

仕込み03ファーストウォートホップ

その後、50℃~75℃程度の温度(酵素が働きやすい温度)でグツグツとお粥状にしていきます。

温度変化によって、仕込み釜内ではこんなことが起こっている!
50度付近ータンパク休止を行い、タンパク質を分解
65℃付近ー糖化により、でんぷんを糖に分解
75℃まで加熱ー麦芽の酵素を失活(酵素の動きを止める)

仕込み04マッシング

糖化が完了し、ろ過をしたら麦汁のできあがりです。麦汁は糖度が高く、あまーい味わい!

麦汁のアクとりをしたら、次にホップジュースを加えていきます!ここで投入するのは、モザイクとシトラ。

仕込み08アクをすくう

これらのホップが持つバラやラベンダー様の香りは、発酵工程で柑橘系に変化していきます。

仕込み09ホップジュース

麦汁煮沸

ホップを加えたら麦汁をボコボコと煮込んでいきます。煮沸することによって、ホップの苦味を引き出し、ビールにとって不快な臭いを除去していきます。

凝集物除去

煮沸が完了したら、麦汁をワールプールへと移します。ワールプール(Whirlpool)とは直訳すれば渦巻くプールのこと。麦汁を勢いよく流しむことで、ホップ粕などといった固形物を凝固させ、取り除いていくのです。

こうして出来上がった、柑橘系アロマの麦汁に副原料を投入!

そうです!皆さんが選んでくれた副原料のひとつである「スパイシー」要素、コリアンダーシード(パクチーの種)の登場です。これをフードプロセッサーで軽く挽いていれていきます。

仕込み10コリアンダー

冷却

その後、空気(酸素)を麦汁に送り込み、冷却していきます。

仕込み11冷却

なぜここで酸素が必要なのかと言うと、このあと投入する酵母のため!

酵母は酸素があるときには発酵せずに増殖するという性質をもっています。美味しいビールを造るため、まずは酵母をタンク内で増やし続ける必要があるので、あえて酵母投入前に酸素を加えておくのです。

酵母が増え、麦汁内の酸素がなくなってきたら、いよいよ酵母による発酵開始となります!

続きはまた後編にてご紹介しますね!

おまけ

ろ過する際に出た、麦芽の殻などは牛のエサとして利用されています。
素敵な循環ですね!

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