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中学生の弟に配られたChromebookはインターネットも使えなかった。

嘘のようで本当の話。
昨日弟が中学校から支給されたChromebookを持ち帰ってきた。 自宅のWiFiに接続するよう求められたようで、WiFiの設定を行い、割り当てられたGoogleアカウントでログインする。

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デスクトップが立ち上がり、インターネットを開こうとすると、Googleは開くものの、何一つサイトが見れない。
"youtube.com is blocked" "ERR_BLOCKED_BY_ADMINISTRATOR"と表示される画面に唖然とする。

Scannable の文書 (2021-07-02 21_38_30)

「教育センター所長」の名義で書かれた配布文章には、「ブックマークに登録されているサイト及びGoogleアプリのみ閲覧可能となっています。」と書いてあった。

いや、調べ物も自主的な利用も全くできないって何の為にPC配布したんだよ。と言葉を失った。

前時代的な最低限(形だけ)のPCスキルと、オンライン授業ができればいい。という思考から抜けきれず、GIGAスクールで予算が出て、国から出された仕様を満たす物を指示通り整備した"だけ。"

当の管理者は使い方がわからないから問題にならないよう縛りに縛って、結局やってる事は対面授業と変わらない。

しかもこの問題点は「教育委員会ベース」で仕様が策定されてしまっている点である。

私は、PC配布などは教育委員会、仕様は標準設定はある程度自由な設定を教育委員会側で定めた上で、機能の解放・ロックダウンは各学校の判断で行えるようにすべきだったように思う。 それに今やどんな勉強やトライもクラウド上である程度できる時代なのだから、制限は最小限にして問題が起きたら都度対処する位の気構えで、好きに使わせてあげるべきじゃないだろうか。(マニュアルには"学習"意外に使ってはいけません。と書いてあるが、ここでいう"学習"とはきっと狭い意味で学校教育における9教科の勉強を指しているのだろうか)

今の仕様であれば、学校の先生も扱いに困って実質お蔵入り。も可能性としては十分高い。(その前に反発が起きると期待したいが…)

エンジニア不足が叫ばれる今日この頃であるが、プログラミング教育は本質的にはエンジニアを増やす事が目的ではなく、論理的思考力や自学(自分で調べて課題解決)する姿勢を養うことが本来の目的であるはずである。

それでありながら低いレイヤーの視点(問題が起こらないように、PTAから何か言われないようにという視点)でしか判断できない教育委員会には失望を隠せない。

ちなみにこのICTのトライは教育委員会によってかなり差があるように思う。 例えば同じくChromebookを活用したICT環境を構築する長野県とは雲泥の差である。

長野県では"ICT教育推進センター"というものが存在するそうで、かなり綿密に計画や運用が練られているように思える。

諏訪星稜中学校での運用。 使い方がちゃんと文章になっていて、しかしながら縛るためのルールではなく、「縛らないためのルール」を書いている事が印象的である。

こうした先進的な市や県の取り組みを輸出して日本の国際競争力を取り戻していって欲しいと思う。 私の市でもきっと改善されていく、、と信じたいが、大事なのはやり方だけ盗むのではなく、生徒にどういった大人になって欲しいか。や、これから10年先はどうなってるのか、という高い視点で判断してICTを運用できる大人が増える事である。 もちろん限度というものはあるが、色んなやり方を試行しながら、この新たに生まれてしまったIT格差を是正していって欲しいと思う。

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