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Guitar Pop Restaurant Vol.52現地勢によるライブレポート! 音楽ゲームの外へも繋がってゆく、その魅力と文脈をみんなで語ろう/月刊オトモ編集部

こんにちは、オトモライターの市村圭です。

今月号は、2024年11月に開催されたライブイベント『Guitar Pop Restaurant Vol.52』について、現地で観覧した3名のライター陣によるレポートをお届けします!

ギターポップレストランって何?

ギターポップレストランについて、月刊オトモでは1年前の2023年12月号でも、現地参加勢&DJ出演者によるライブレポート(Vol.50のもの)を掲載しています。

繰り返しにはなりますが、あらためてご紹介させてください。

ギターポップレストラン、通称GPRもしくはギタポ。2010年の立ち上げ以来、2024年11月時点でなんと52回もの開催を重ねる奇跡のライブイベント。特定の組織ではなく個人主催による独立系イベントですが、現代の若手~中堅ギターポップ・渋谷系文化に属するバンドをブッキングし続け、注目と信頼を集めています。

ところで、なぜ音楽ゲームメディアである月刊オトモで、それ自体は音楽ゲームではなく、公式とも関係がないライブイベントの話がなされるのか?

それは、音楽ゲームと渋谷系音楽の間には、切っても切れない絆があるからです。

渋谷系とは何か……というお話はいったん抜きにしますが、ともあれ渋谷系やギターポップの文化は、古くから音楽ゲームと密接に結びついてきました。その関わりは、初代『pop’n music』(1998年リリース)に収録されたSUGI&REO「I REALLY WANT TO HURT YOU」(ジャンル名:ポップス)まで遡ることができます。

そのリアルタイムの当事者であったコンポーザーやボーカリストは、例えばゲームの作り手側から離れて在野のミュージシャンに、はたまた異なる分野の裏方サウンドクリエイターとして活躍。あるいはゲームに育てられたミュージシャンは、同人音楽界隈での活動を経て新たに渋谷系楽曲の担い手に、そして公募や楽曲提供を通して音楽ゲームに寄与する作編曲家、作詞家、歌唱家に。あるいは既にメジャーシーンで活躍した末に、音楽ゲームへと新たに招かれて。

かくして渋谷系×音楽ゲームという文脈は、初出から26年後の2024年に至っても、その血を絶やすことなく界隈に深くその根を下ろしています。

GPRは、渋谷系という共通点を鎖として、この文脈を見事に拾い上げているのです。有り体にいえば、音楽ゲームに参加しているギターポップ・渋谷系界隈のミュージシャンが多くブッキングされ、当事者が演奏・歌唱する様子を、生で、しかもライブハウスならではの音響環境と演出のもとで味わうことができる! というわけです。

そしてその魅力は、「音楽ゲームの楽曲が演奏される」というだけに留まりません。音楽ゲームの楽曲・アーティスト、あるいは音楽ゲームと関連するギターポップ・渋谷系楽曲やそのミュージシャンを媒介として、唯一無二の音楽体験を、そして新しい音楽や文化との出会いをも提供してくれるのです。具体的には、後に掲載するライブレポート本文でも如実に示されることでしょう!

今回のギターポップレストランは大阪開催!

ギターポップレストランは東京を主な拠点とするイベントですが、14年以上にわたる歴史の中で、遠征地でのライブも多数開催してきました。

はじまりはvol.7の大阪開催。これまでに東京、大阪、名古屋、仙台、福岡、札幌での開催歴があります。

Guitar Pop Restaurant 時期別の開催地統計(データまとめは趣味です)

今回は2018年のVol.39以来、6年ぶりとなる大阪での開催。絢爛豪華なご出演アーティスト陣に加えて、弊誌編集長の矢澤豆太郎さんもDJとして出演されるとあって、オトモライター3人が大阪の地に駆けつけることになりました。

さて、前置きが長くなりました。それでは、各自が現地で味わった感慨の深淵が文字面から溢れ出る、高密度なレポート3本をお楽しみください!

レポート(1) リスペクトと愛に満ちた会場の熱

文:かりんとう

お久しぶりです、リポーターその1のかりんとうです。

前回のライブレポートにて私は「ここ数年は毎回参加している」イベントとしてギターポップレストランを紹介しました。(前回第51回も大変楽しい時間を過ごさせてもらいました。その節はありがとうございました)
ただまさか私にとってこのライブが、居住地から遠く離れた関西公演をほぼ即決するぐらいに人生に影響を及ぼしているとは思いもよらなくてですね…!! 予約確定のメールを受け取ってから、人生で初めて「遠征」なるものを行う機会がギタポによってもたらされた事に気付いて、自分でビックリしておりました。

いつも出演してくださるアーティストの皆さんの歌を聞きたくて、その場限りのパフォーマンスを見たくて、あるいはそんな方々と関わりを持つ新しい出演者の世界を覗きたくて。安心感のある「いつも」の中にある「真新しさ」を見たくて、足を運ぶ動機も増え気づけば今回は第52回目。私から見て今回のライブ、どんな新しい良さがあったかと言いますと…。

それは「」です。

いえ、熱量は毎回更新する勢いなのですが…! なんと言いますか、もっと尖った、身を蝕む別様な熱さが、今回のギタポ会場には渦巻いていました。
まずもって観客の盛り上がりが凄かった!! 歓声の大きさやアンセム級のナンバーに対するリアクションに、これが関西パワーなのかと気圧されてさえいました。
そして応えるように出演者のセットリストとパフォーマンスはかなりの王道といいますか!「大阪での演奏は数年振り」という方も多く、その数年の間に人気を博した楽曲や、とにかく観客が持ち寄っているであろう「文脈」…音楽ゲーム、もっと言えば(あの日の)『ポップンミュージック』の思い出や世界観に訴えかけるような選曲が、ここ数年の過去の音ゲー関連出演者が多めの回の中でも過去一のボリュームだったと言えるのではないでしょうか!
DJの皆さんの選曲に片鱗が現れ、うさおりーぬさんと藤野マナミさんが直近バージョンで書き下ろした新曲「いばら姫」と共に、ポップンメドレーを持ち寄ってくれたことが象徴となっているでしょう。

とはいえ実は、音楽ゲーム関連曲の演奏は本当に多様でして。例を挙げればRetropolitaliensは『太鼓の達人』や『maimai』への提供曲を(難関曲相手におサメのひかちゃんを抱きしめながら)披露し、昼の部のテンションを最高潮に盛り上げてくれました。
またピアノポップが中心となった夜の部では、Yu_Asahinaさんとかなたんさんのコンビ、kidlitさんとm@sumiさんとのデュエットがそれぞれ『DEEMO II』からの楽曲を取り上げ、優艶な空間を作り上げてくれました。個人的に『pop'n music peace』初出「雪夜の森のプリャースカ」の、ジャズアレンジが最高だったと書き記させてください…!

そう、このライブは古きも新しきもまぜこぜになった場で、方々で活躍する音が一堂に会する素敵な場でもあるんですね。
そういう意味ではCapitanの、オープニングに相応しい渋谷系のド王道を行っているのであろう爽やかなアクトも。yotteniの小気味よいMCとその雰囲気に違わぬ軽妙な演奏、即興でループ音源を作成しての2人バンド演奏も。まだ出会っていなかった人もひっくるめて大いに沸かせる、大事な1パートとなっていました。
Three Berry Icecreamの(私にとって初見となる)大阪クルーがティータイムを彩り、ギタポをきっかけにギターの練習を始めた杉本さんが大阪でその成長度合いを初公開するなど、レギュラーメンバーの演奏も大盛り上がりでした。

それでもやはりギターポップレストランにおいて、一番感じられるのは…リスペクトと愛情が多分に詰まった場なんだな、ということです。時代も文化も問わず、共演が叶うこの場で、互いが互いをリスペクトしているその温かさ…これが今回は特に高まって熱さにまで転じていたんですね。
それは観客と同じ視点を持つゆーじさんがSanaさんに提示したセットリストであったり、kidlitさんとm@sumiさんがカバーした、ギタポでは定番のナンバーとなりつつある「深海のリトルクライ」であったり…。
これを最高に感じたのは、オペラの如き美声を響かせてきたかなたんさんが、最後に「世界の果てより/通じる心」(Yu_Asahina feat. 杉本清隆・常盤ゆう)を、常盤さんの声質に寄せたウィスパーボイスで歌ってくださっていた時間でした。
きっと初見でも初見な気がしないであろう観客の経験値、これまでのライブで本人の歌唱含め何度も演奏されてきた歴史の文脈、そして…昨年のゲーム会社公式音楽イベントで、かなたんさんが「neu/uən」(少年ラジオ vo.常盤ゆう)のカバー歌唱を担当してくれた時の記憶…その全てで、リスペクトがそこにあるのだという信頼を感じ取って、愛が拡散するこの時間に立ち会えたことに、重ねて感謝の念を発することしか出来ませんでした。

実は演者としての参加経験がある方ばかりのレポートメンバーで私だけただのいち大ファンな観客なのですが、この文章の熱量で返礼とさせていただければと思います!
演者の皆様本当に素敵な一日をありがとうございました!
編集長大舞台でのDJ担当、本当にお疲れさまでした!
未視聴の観客のみなさまはぜひともアーカイブでこの「熱」のお裾分けを感じ取ってみてくださいね!!

キャプション:昼の部のイベント看板!


レポート(2) 最高のシンフォニーが、響く場所。

文:アズニィ

毎回ギターポップレストランに遊びに行くたび、これはオタクに都合良い夢を見ているだけなんじゃないかとふと思ってしまうことがあります。
初参加の時の、憧れの人が目の前で思い出の曲を歌うのを見た時の、あの衝撃。ただただ泣きじゃくるだけで、言葉になりませんでした。
その後も、参加するたびにあのアーティストさんとかあのコンポーザーさんとかと仲良くなったりサインをもらったり、一緒に好きな曲を語ったり、直に長年の思いを熱く伝えられたり……

夢じゃない!? 現実!!!? ホントに!!!!???

皆様こんにちは、アズニィと申します。そう、それがギターポップレストランです。このイベント、音ゲーマーとして生きてきた人間や、渋谷系が好きな人だけではなく、ギターポップやピアノボーカルが好きな全ての皆様に優しいライブです。ぜひ人類皆ギタポへ。幸せだぞ。 

以下は今回の早口まとめです。箇条書きにしますので、メモに残された断末魔を感じ取っていただければ幸い。

・早く会場に着きすぎて横のカフェで朝ご飯キメてたときに微かに聞こえたリハからCapitan最推し曲の「悲しいことばかりじゃなくって」が聴こえて「ああああああああ!! 今日やるんだ……! とうとう生で……!!」って先泣きしちゃった話
・駄々子さんが歌詞の「インビテーション」を「インシデント」って歌ってたことを告白した時(惨事のヒロインだ……)などと思ってしまった話
・yotteniの【浪速のカヒミ・カリィ】という自称から繰り出される完璧な「ハミングがきこえる」に惚れ惚れした話
・Three Berry Icecreamイケミズさんの歌声が素敵すぎて聴き惚れた結果メモを取り忘れるぐらい集中してしまった話
・杉本清隆さんのグッバイ・レイディで実母との別離の哀しみがフィードバッグしてタオルをダメにするぐらいずっとガチ泣きしてしまった話
・DJの選曲に対しての阿鼻叫喚に満ちたメモ書き(例)「あーーーーー!!」「オタクはそうされると死ぬ」「殺意の塊」「ズルです」「さらにズルです」「ほんとにズルです」「絶対に許さんぞ!!!!!!!」などなど。
・喉を痛めていたかなたんさんが、とてもそうとは思えない圧巻の歌唱力を披露した話
・m@sumiさんとkidlitさんのピアノつよつよペアの前にはもはや聴き入ることしかできず、詳しく語るほどのピアノ知識を持ち合わせていないので何を言っても言葉足らずになってしまう話
・DJタイムで流れた自身の曲を歌う素振りをする藤野マナミさんが可愛らしすぎて尊死しかけた話
・うさおりーぬさんとのタッグによる世界観+歌声のパワーがホントに涙腺に刺さった話
・音ゲーを代表すると言っても過言ではない歌姫・Sanaさんと、生粋のSanaさんオタクことゆーじさんが繰り出す息もつかせぬ名曲ラッシュの話
(これは余談ですが、2人の枠の時にあまりにも自分の血肉になった曲ばかりが流れたため、記事メモに「この」「血と肉」「あ」としか残されておらず、なんだかバイオハザードの日記みたいになってしまいました)

これだけある今回のギタポの良かったポイントを細かく語るとすっごい文字数になっちゃう上、締切をぶっちぎっても語り続けてしまうことが安易に想像できるので、今回は『GPR52における、僕の音ゲーオタク部分が全泣きした3点』に絞ってお伝えします。

1. ポップンミュージックメドレー(藤野マナミ&うさおりーぬ)
」。一言で言うとこうです。
いや、ホントあの頃のままなんですよ。あの時聞いたあの声なんですよ。ぶっちゃけこの部分だけでもアーカイブ買う理由あります。本当に。
フレンドリーLIVEでもらい泣きしたことがある画面の前のあなたに向けて言っていますよ?

2. ディスコ・タイフーン(杉本清隆)
今回の「まさかそのセルフカバーが聴けるとは」枠です。orangenoise shortcutのベストアルバム『Hallelujah』における「Sunshine Day ←→ Rainy Day」や、別のライブで披露された「チェリ・ガール」「わたしのフォーティーン」など、杉本清隆さん作曲・Sanaさん歌唱の曲を杉本さん本人がカバーする例はいくつかあるのですが、まさか今回この曲がチョイスされるとは!ってなったやつです。原曲よりAORみが増したジャジーなアレンジに、ただただしっとり聴き入っていたやつです。思い出すと溜め息がでちゃうような、余韻深い一品。最高でした。

3. Pink Rose (ゆーじとSana+藤野マナミ)
オタクに都合のいい幻想とか、オタクが死ぬ前に見る幻とか、そういう類のやつです。
いやいやいやだってだって、ちょっとこれはいくらなんでも夢でしょ。「狼が出たぞー!!」みたいなやつでしょこれ。どれだけ反芻しても消化しきれない。
2024年に、「Pink Rose」を、Sanaさんと、藤野マナミさんが、デュエットする。
どう噛み砕いても、報告聞いた村人が「そんなことあるわけないじゃん」って一笑に付すタイプのオタクの幻想ですよコレ……。

現実だったんだよなあ。

ちなみに「くまのきよみさんのボーカル曲を」「Sanaさんと」「藤野マナミさんがカバーする」
という3点から『KISS SUMMER SISTERS』という単語を導き出せたあなたは完全にこちら側の人間なので、ぜひ配信を見て「真実(マジ)かよ……幻想(ユメ)じゃねえよな……?」ってなってください。
僕達の黄金時代は、そこにあります。

最後に、雑文を。
僕たちが過ごした2020年からの数年は、決まりごとが増えすぎて大切なことさえ悪いことだとされた日々だったなあと思います。ライブとか遠征とかゲーセン通いとかが好きな身としては、実際ほぼ全ての趣味を奪われた日々でした。
まだまだその脅威は終わっていないけれど、「いつか、その場所で」「小さな手を振って」「また会おうね」と誓いあったアーティストたちが、こうして素敵なライブをしてくれる。
それだけで、なんだか生きる希望が湧いてくるような気がします。
ギターポップレストランは、そんな素敵な場所です。本当に最高のライブだったので、ぜひ配信を見てください。ホントに、めっちゃ良かったので……!

私、アズニィからは以上です。
もうさァ、無理だよ……語彙力足りないんだからさァッ、配信をちゃんと見直さないとさァッ!!

会場近くのアメリカンダイナーにてジャム&フィズ気分。新しいお店の開拓もライブ遠征ならではですよね


レポート(3) GPRのホスピタリティがくれた幸せな時間

文:市村圭

今回はあえて、ライブ演奏「以外」の部分を語ろうと思います。

これまでにいったい何十回、Guitar Pop Restaurantの名を冠したイベントを訪れたでしょうか。
思い返せば、初めてGPRの場に足を踏み入れたのは、(おそらく)2010年開催の『〜Vol.3』。この回への参加の主な動機であった出演者の杉本清隆とThree Berry Icecream。この2つの名前は、奇しくも今回の『〜Vol.52』にもまた、14年の時を経て名を連ねています。

音楽ゲームを媒介に新しい音楽に触れてゆく体験に惹かれてしまったのは、GPRがその契機の一つであったと明確に言い切ることができます。そしてその憧憬は、2024年の今もなお絶えることなくそこにありました。

その体験をもたらしてくれるのは、出演されたミュージシャンたちの素晴らしいアクトはもちろんのこと、イベントとしてのホスピタリティの質の高さにも依るところが大きいと考えています。

まずは何よりも、間口の広さ。公式ウェブサイトには「Table Manners Of The Restaurant ~GPRの楽しみ方~」と称する専用ページが用意され、「会場にはどう入ればいい?」「ドリンクチケットって何?」「会場内ではどう振る舞っていればいい?」のような、ライブ未経験の初心者が戸惑いやすい点にも、親身に答えてくれています。

そして演奏時間外も含めて、会場で過ごす時間そのものの楽しさ、体験の素晴らしさを意図的に演出している点は特筆に値するでしょう。

たとえば物販。ミュージシャン、DJ、スタッフによるCD、DVD、オリジナルグッズ、創作~評論同人誌まで、そのラインナップは50作超。MCで言及のあった作品はすぐに物販コーナーからも宣伝され、ライブ後に即座に手に取ることができました。開演前や幕間も時間をもてあます心配はありません。

あるいはDJタイム。演奏外の時間にDJが良質なBGMを流す演出は、もちろんライブイベントの定番ではありますが、GPRのDJタイムを彩る面々によるセレクトは、それはもう絶妙そのもの。

昼の部のオープニングセクションDJのtaraiさんは、GPRの「ギターポップ」成分を主担当。Linus’ Blanket、Corniche Camomile、margarets hope*といった00年代のギターポップシーンを彩った名アーティスト陣から、今まさに活動を活発なものとしている小林しの・Laura Day Romanceといった面々までを幅広く選曲。ブースを引き継いで転換とエンディングを担当されたnade.さんは、音楽ゲーム楽曲と源流~ネオ~ポストに到る渋谷系を的確に接続しつつ、アニメ、ゲーム、名曲カバーと多方面へも滲み出したアキシブ系シーンをも網羅するかのような選曲。Plus-Tech Squeeze BoxからORIGINAL LOVEに到る素晴らしいセットリストを披露されました。

夜の部ではGPRスタッフ兼任のとらすけさんが、多数の音楽ゲームとその周辺、そして愛好するハロプロ曲を巧みにミックス。2016年の名盤『渋​谷​コ​ン​ピ -Shibuya Tokyo Mirai-』収録のあるふぁ feat. 薛南「キャラメルマキアート」、『crossbeats REV.』に提供されたYamajet曲「Sunglow」などさすがのセンスを見せると、弊誌編集長の矢澤豆太郎さんはKiddy & Sunshine Loversやorangenoise shortcutなど音楽ゲーム関連ユニットの名曲を披露しつつ、Miliをはじめとする(他のDJがカバーしていない、しかし確かにイベントに親和する)独自路線の楽曲群を会場にもたらしました。

会場に存在することで楽しさが保証される。音楽ゲーム楽曲とそのアーティストを軸として、幸せな感情を抱き、興味を広げてゆくきっかけをくれる特別な時間。GPRというイベントがたたえるそのような素性は、今回の『Vol.52』でも確かに発揮されていました。

おわりに

以上、『Guitar Pop Restaurant vol.52』現地勢3名による、ライブハウスで浴びた熱気が文面からも滲むようなレポートをお届けしました!

音楽ゲームはもちろん、狭義にはゲームです。それでいて音楽ゲームは、多くの総合芸術がそうであるのと同様に、無数の制作者たちがそれぞれに経てきた無数の文化が陰に陽に込められ、多くの世界を抱えた宇宙です。

たとえば、サイレント映画。

たとえば、キャラクターと色彩。

たとえば、新進気鋭のバーチャルシンガーたちと、彼女らがたたえる豊かな文化。

音ゲーマーであり、したがって本質的に音楽リスナーであるオトモ読者のあなたへ。あなたが好きな音楽ゲームアーティストが出演するライブイベントは、あなたの好きな音楽やアーティストが手を取って、新しい一歩をエスコートしてくれる絶好の場です。

月刊オトモは、音楽ゲームをきっかけに新しい音楽や新しい世界に踏み出す、その一歩を称賛し、推奨し、応援しています。

『Guitar Pop Restaurant vol.52』は、2024年12月15日(日)にツイキャスプレミア配信での振替配信(録画映像のストリーミング)が予定されています。チケットを購入すれば、12月29日までの間アーカイブ視聴可能です。






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次回の更新は1月4日(土)の予定です。
お楽しみに!